VTuber×魚釣り!?ChumuNote初主催イベント「ChumuNoteとつりぼりカフェCatch&Eat」レポート

毎週末のようにVTuberのリアルイベントが開催されていた夏も終わり、秋晴れに恵まれた涼しい10月上旬の土曜日。練馬駅近くの住宅街の一角で、とある個人勢VTuberのイベントが開催されました。

イベントの名前は、「ChumuNoteとつりぼりカフェCatch&Eat」。

そう、このイベントは、世にも珍しい「VTuber主催の“魚釣り”イベント」。自身も釣りが大好きなChumuNoteさんとお話しながら魚釣りと食事を楽しめる、一粒で三度おいしいイベントなのです。

音楽ライブでなければファンミーティングでもない、一風変わったVTuberのリアルイベント。いったいどのような内容だったのか、現地の様子をレポートします。

執筆・編集・撮影 / けいろー(@K16writer

マンボウリュックを背負った、アイドルでDJで釣り人なVTuber「ChumuNote」

【MV】ChumuNote – Broken Promises (feat. Purukichi) Short ver. – YouTube

ChumuNote(ちゅむのーと)さんは、2023年2月に“再”デビューを果たした個人勢VTuber。

本業のミキシングエンジニアと並行してVTuber活動をしており、ライブやDJイベントへの出演実績も多数。この数ヶ月間ですでに複数の楽曲を発表しているほか、9月にはバーチャルアイドルユニット「épeler(エプレ)」に加入するなど、音楽を中心に精力的に活動しています。

今回のイベントは、そんなChumuNoteさんによる初めての主催イベント。SNSのプロフィールに「釣り人」と記載するくらいには魚釣りが好きで、自分のリスナーにも布教したい、楽しんでほしいという思いから、今回の主催に至ったのだそうです。

ChumuNoteとつりぼりカフェCatch&Eat #ちゅむ釣りあいべ in東京 – パスマーケット

一見すると風変わりなイベントにも思えますが、そもそもChumuNoteさんのモチーフの1つは「マンボウ」。また、過去には海とくらしの史料館(鳥取県)とのコラボや、「#海系VTuberの集い」と題した企画配信なども実施するなど、「魚」という大枠で見ると、実は繋がりのある活動をしていることがわかります。

釣った魚をその場で食べられる!釣り堀カフェCatch&Eat

イベントが開催されたのは、練馬駅から徒歩3分の距離にある、釣り堀カフェCatch&Eat(キャッチ&イート)練馬店。手ぶらで訪れて魚釣りができる「釣り堀」であると同時に、釣った魚をその場で調理してもらって食べることのできる「カフェ」でもあります。

入店するとまず目に入るのが、円形の生け簀を囲うようにして配置されたカウンター席。こちらの9席が「釣り席」となっていて、お店の釣り竿を使って魚釣りができます。今回のイベントではこの席で釣りをしながら、壁のモニターに映し出されたChumuNoteさんと交流をすることができました。

お店のキャパシティとシステム上の都合から、イベントに参加できるのは一度に9名のみ。今回は二部制での開催となり、第一部が12:00から、第二部が14:00から行われました。チケットは抽選だったため、ほとんどの参加者はお互いに初対面だったようですが、以前からネット上では“顔見知り”だった人もちらほらといたようです。

記事中の写真は第一部と第二部の両方を混ぜる形で掲載しています。

まずは、この日が初めての魚釣り体験だった人にもわかりやすいように、エサの付け方と釣り針の取り扱い、お店のシステムを、ChumuNoteさんが直々に解説。各々が自分のペースで釣り糸を垂らし始めたところで、イベントスタートです。

キャッチ&イートのシステム
  • 釣り竿で魚が釣れたら、目の前に設置された網に投入
  • 席に置いてあるカウンターで、釣った数を記録する
  • 調理してもらえる魚は最大10匹まで(※数はイベントによる)
  • 11匹目以降は、優しくリリースしてあげる
  • 調理方法は、天ぷら or から揚げ

オフ会のような和やかさの中、推しVTuberと言葉を交わしながら釣り糸を垂らす

前半の1時間は、釣りを楽しみながらの交流タイム。

竿を片手に、水面を見つめつつ、モニターから聞こえてくるChumuNoteさんの声に相槌を打ったり、ツッコミを入れたり、時折投げかけられる質問に答えたりしながら、魚が釣れたら、お互いに歓声をあげて喜び合う。魚釣りの魅力を語るChumuNoteさんの声は楽しげで、また参加者同士でも自然と会話が生まれるなど、終始和やかな雰囲気のイベントとなりました。

Catch&Eatにいる魚はその時々で異なるらしく、この日生け簀にいたのはホンモロコ。ChumuNoteさんの解説によると琵琶湖の固有種で、春の名物なのだそう。

ChumuNoteさんからは「琵琶湖に行ったことある人〜?」「普段からよく釣りするよ、って人は?」といった質問も投げかけられ、参加者は釣り糸を垂らしながら推しとの交流を楽しんでいました。

参加者のみなさんが釣りに慣れてきたタイミングで、ちょっとした「ゲーム」も実施。ChumuNoteさんの掛け声で一斉に釣り糸を垂らし、一番最初に魚を釣れた人にプレゼントが贈呈されます。

すぐには釣れず、にらみ合いが発生する……かと思いきや、一部・二部ともに、10秒とかからずにヒット! これはChumuNoteさんも予想外だったのか、参加者のみなさんと一緒に歓声をあげていました。

前述のとおり、調理してもらえる魚は1人10匹が上限。ただし、「上限に達している人がさらに魚を釣った場合は、11匹目以降をほかの人に譲ってもOK」とのこと。

そのため、釣りの時間制限が迫る頃には協力体制が敷かれて、参加者同士で魚を譲り合う光景も見られていました。ソロプレイからの協力展開はアツいですね……!

後半は、釣った魚を味わう食事タイム!

自分たちが今まさに釣った魚を店員さんに調理してもらって、揚げたてをいただきます。多くの人が天ぷらとから揚げを半分ずつ注文していたようですが、なかには全部をから揚げにして食べる人も。一緒に釣り糸を垂らしながら一喜一憂した後ということもあって、オフ会のようなゆるーい雰囲気の中での食事会となりました。

同時に行われたグッズ販売では、海とくらしの史料館コラボで期間限定販売されたマンボウの木製キーホルダーを含む、4種類のグッズを販売。

一部のグッズはあっという間になくなるほどの売れ行きを見せていました。このことからも、熱量の高いファンが集まっていたことがわかりますね。

ChumuNoteさんから食レポを求められた参加者さんたちの感想としては、「自分で釣ったものだからか、おいしく感じる!」という声が多かった様子。

注文したお酒を飲みながら舌鼓を打っている人も多く、みなさん本当においしそうに食べている姿が印象的でした。

釣りや食事の最中にもいろいろな話がありましたが、印象に残ったことのひとつに、参加者さんの1人が発した「多分、ちゅむが企画してくれなかったら、こういう所に来ることはなかったと思う」という声があります。

ChumuNoteさんが釣り好きで、釣り堀カフェでイベントを開催しようと考えて、実際にやってみようと行動を起こしたから、そしてそこに参加したからこそ味わえた、初めての体験。推しの存在が何かのきっかけになるって、すごく素敵だと感じました。

最後は全員で記念撮影をして、イベントは終了。

ChumuNoteさんにとってだけでなく、ファンにとっても「推しの初主催イベント」となった今回のイベント。参加できたのは少人数でしたが、自分が釣った魚の姿や味の感想を写真付きで呟いている人も多く、満足度の高いイベントだったことがうかがえます。当日の様子は「#ちゅむ釣りあいべ」で覗くことができますので、気になる方はご覧になってみてください。

余談ですが、イベントのハッシュタグを遡ってみると、終了後すぐに某フィッシュセンターへ足を伸ばして“二次会”を楽しんでいた参加者さんもいらっしゃった様子。行動力がすごい!

取材後記

正直に申しますと、「VTuberが主催する、魚釣りのリアルイベント」という概要を最初に聞いたときは、「どゆこと!?」という驚きも少なからずありました。

会場も都心部のライブハウスやクラブではなく、住宅地にある釣り堀カフェ。ChumuNoteさんの趣味が魚釣りであることは配信やSNSでもたびたび発信していましたが、まさか自らイベントを主催してしまうとは……! 「このためにゲーミングPCを購入した」というお話からも、今回のイベントにかける熱量の高さと本気ぶりが伝わってきます。

と同時に、そのような熱量と行動力の持ち主は、何もChumuNoteさんだけではありません。この日のために集まった参加者さんたちが、生け簀を囲い、楽しそうに声をあげながら魚釣りに興じる様子を後ろで拝見していて、彼女のファンもまた、“アツい”人たちが集まっていることを肌身で感じるイベントとなりました。

事実、今回の参加者さんの中には、遠路はるばるやってきた人も少なくなかった様子。

少人数制かつチケット抽選ありのイベントで、会場も都心部からは少し離れた場所。しかも「魚釣り」という特殊性も重なれば、通常のファンミーティングなどと比べて参加できる人も絞られてくるはず。とくれば、ほとんどが首都圏近郊に住んでいる参加者になる……かと思いきや、なんと別の地方から来た方もちらほらいらっしゃったというのだから驚きです。イベントにかける想いが、主催者も参加者もすごい。

また、「VTuber×魚釣り」という組み合わせに関しても、「実は相性が良いのでは……?」と感じる場面がありました。

「画面越しにVTuberの話を聞く」という構図だけ見ると、言ってしまえば普段のライブ配信と大差はありません。ですが、リスナー側の環境は別です。普段は基本的に文字とアイコンでしかお互いを判別していないリスナーが、「参加者」として同じ空間に集っている。リアルイベントだからこそ得られる一体感があり、打てば響くように反応が返ってくる「声」を介した、密なコミュニケーション体験がそこにはありました。

また、推しのVTuberと直接話せる、ファン同士で交流できるリアルイベントは、たしかに貴重な体験ではありますが、それゆえにある種の緊張感を伴うものでもあります。共通の“推し”を持つ同士とはいえ、初対面の相手との会話は少なからず緊張するもの。しかも推しとも直に話せるとくれば――たとえ過去にイベントで話したことがあるとしても――余計にドキドキしてしまう人もいるのではないでしょうか。

そこで、「魚釣り」です。

会場が「釣り堀カフェ」だった今回のイベントでは、普段の配信のようにChumuNoteさんの話を聞き、時折ツッコミを入れたり質問に答えたりしながらも、同時に釣り糸の先を眺め続ける必要があります。当然、その最中はモニターをあまり見られません。ですが、そうやって別の行為にも意識を向けながらの交流となったことで、イベントにつきまといがちな緊張感が薄れ、自然体で話すことができた――そんな側面もあったのではないでしょうか。

参加者同士の交流についても同様です。「魚釣り」という共通の体験をしながらであれば、その最中に起こった出来事に対してお互いに反応しつつ、気楽に交流することができる。もともと「同じ“推し”を持つ同士」である間柄に、さらに「魚釣り」という共通の話題が生まれているわけです。ファンミーティングの会場に漂う「推しLOVE」な熱気とはまた別の、仲間同士で同じ体験を共有することで生じる親近感と、心地の良いあたたかさが漂っていたように感じました。

ChumuNoteさんも「めっちゃオフ会っぽいね!」と話されていましたが、会場の空気感としては、「普段の配信」と「オフ会」が組み合わさったような雰囲気だったように思います。

熱量高めのファンが集まるイベント会場でありながら、少人数ゆえの気楽さとゆるさもあり、何よりも「魚釣り」という行為に一緒に興じることで生まれる一体感があった。推しのVTuberの話と声援を聞きながら、みんなで一緒に釣り糸を垂らして、最後はできたての料理を味わえた。ほかではなかなか体験することのできない、唯一無二のイベントだったと言えるのではないでしょうか。

「VTuberのリアルイベント」と言えば、大人数が集まる大きな会場で、観客が一体となってステージを見上げている、あるいはモニターを見つめている光景がまず思い浮かびますが、もっと気楽に、ゆるーく楽しめるイベントがあっても良いのかもしれない――。釣り竿を片手に一喜一憂するちゅむ主のみなさんと、その様子を楽しそうに見守るChumuNoteさんの姿を見ていて、そんなことを思ったのでした。

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