太田出版が刊行しているカルチャー誌『CONTINUE』。
そのVol.65(※2020年5月発売)に、VTuberファンであれば誰もが知る“委員長”が登場した。
そう、にじさんじ所属バーチャルライバー・月ノ美兎(@MitoTsukino)、その人である。
表紙を大きく飾っての特集として、VTuberが『CONTINUE』に登場するのはこの号が初めて。刊行に際しては事前にWebアンケートも実施され、大勢のファンの声が集まっていた。
本記事ではそんな『CONTINUE Vol.65』の内容を、簡単に紹介する。
あのサブカル委員長を、サブカル誌で総力大特集!
表紙に踊る「全36ページ 総力大特集」の文字のとおり、がっつりと「バーチャルライバー・月ノ美兎」を取り上げている『CONTINUE Vol.65』。特集部分の目次は、次のようになっている。
- ロングインタビュー
- HISTORY OF 月ノ美兎
- 衣装ギャラリー
- WEBアンケート結果発表
- 「にじさんじJAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!」難波追加公演ライブレポート
以下、それぞれの内容を簡単に見ていこう。
ロングインタビュー
7ページにもわたるロングインタビューから始まる、本特集。
インタビューでは「にじさんじJAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!」難波追加公演の感想から、自然な流れで委員長の幼少期の話へ。子供の頃の夢に、当時好きだったアニメ、親の影響で聞いていた音楽や読んでいた漫画についても話題が及び、具体的な作品名も多く挙げられている。
そのほかにも、影響を受けているコンテンツや好きな芸人、ゲームに映画など、話は驚くほど多方面に展開。さまざまなジャンルにおける委員長の好みが垣間見える、サブカルチャー誌ならではの切り口が魅力のインタビューとなっている。
HISTORY OF 月ノ美兎
「HISTORY OF 月ノ美兎」と題したコーナーでは、彼女の現在(※2020年春)に至るまでの軌跡を動画と年表で振り返っている。
2018年2月の初投稿を1本目として、計10本の動画を紹介。「10分でわかる月ノ美兎」「月ノ美兎の放課後ラジオ」といった要所を抑えつつ、VICONお披露目配信や「帰れない百物語」など、彼女の企画力が光る動画もピックアップ。続く「動画紹介」も含めて、委員長のことを知らない初見さんでもきっと楽しめるだろう絶妙な選出だ。
また、見開き2ページにまとめられた年表も必見。2018年2月から2020年4月までの約2年間の活動から、主な動画やイベント出演、実績などを並べて記録している。
衣装ギャラリー
文字情報が多くなりがちな誌面において、ビジュアルで楽しめるコーナー。
それまでに発表された8種類の衣装を掲載しつつ、その衣装で登場した場面や経緯などについて簡単に解説を加えている。こうして見ると結構なバリエーションがあったことがわかり、軽く驚かされた。その後に実装された衣装や、さらに3Dモデルのアイドル衣装も加えると……現在はゆうに10種類を超えている……?
WEBアンケート結果発表
「月ノ美兎 ファンページ」と題したページでは、事前アンケートの結果とあわせてファンの声を紹介。動画ランキングと名言ランキング、そして応援メッセージをまとめて掲載している。
数々の名言を残しており、ついには自身がネットミームともなった委員長。その名言のNo.1に選ばれたのは、いったいどの一言だったのか。ドキドキしながらページをめくり……思わず、頷いてしまった。納得の1位。何が選ばれたのかは、ぜひ本誌で確かめてみてほしい。
「にじさんじJAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!」難波追加公演ライブレポート
特集のラストを飾るのは、2020年4月5日に開催された「にじさんじJAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!」難波追加公演のライブレポート。
残念ながら無観客開催となった一大イベントを、実際に会場に赴いて目の当たりにした記者さんによる、現地の熱が伝わるライブレポート。無観客の会場に「熱」も何もないと思われるかもしれないが、それでもそこに間違いなく熱気はあった。そんなアツさが伝わる筆致のレポートだった。
「月ノ美兎」を知らない人にこそ読んでほしい
「サブカル誌で委員長を特集する」と聞いて、「いったいどんなコアな話が繰り広げられるんだ……」とおそるおそる手に取った『CONTINUE Vol.65』。
しかしいざページをめくってみれば、その内容は思いのほか万人向け。「バーチャルライバー・月ノ美兎」のことをまったく知らない人にも勧められそうな、わかりやすくまとまった特集となっていた。委員長について知りたい人には、真っ先にこの特集を押し付けてもいいんじゃないかとも感じたくらいに。
もちろん、ロングインタビューでは委員長自身のパーソナルな話もニヤニヤしながら読めるし、彼女の2年間を見事にまとめあげた年表も必見。アンケートに回答するほどの熱量で委員長を応援している生のファンの声もたくさん読めて、満足のいく特集だった。
気になっていた人は、ぜひ手に取って読んでみてほしい。
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