2023年:
カラオケ枠や記念配信でのVRChat活用が広がる

ここまで見てきたように、hololiveENとhololiveIDのメンバーのあいだでVRChatが広がり、数々の季節イベントやコラボ配信が行われてきたのが、2021年から2022年にかけての2年間だった。
2022年にはhololiveIDの3期生が、2023年7月にはhololiveENから「Advent」がデビューし、人数も増えたことでますますVRChat配信が行われるようになる――かと思いきや、意外にも、2023年は企画も配信も少なかった。ハロウィンイベントも行われず、これまで積極的にVRChatを活用していた神話組のメンバーもVR配信は控えめだったように見える。
理由はいくつか考えられる。諸々の要因や事情が重なってのものだろうし、リスナー目線で断定できるものでは当然ないが、あえて推測で語るなら、以下のような理由があるのではないだろうか。
- 延期になっていた神話組の3Dお披露目配信が行われた
- ID2期生(Holoro)と1期生(AREA15)の3Dモデルがお披露目された
- 議会組改め「Promise」のメンバーが相次いで3Dモデルをお披露目した
- 夏に「hololive English 1st Concert – Connect the World -」が開催された
いずれも嬉しい出来事ではあるが、「3Dお披露目が行われた」というのはつまり、「VRChat以外でも3D配信ができるようになった(しやすくなった)」ということでもある。
そもそも神話組の5人がVRChatに飛び込んだのは、当時の社会情勢による「3Dお披露目の延期」が理由として大きかった。コロナ禍の真っ只中で3Dデビューができず、スタジオに集まっての収録すら難しい。そんな時期にある種の「苦肉の策」として講じたのが、オンラインで同じ空間に集まれるVRChatを使った配信とコラボ企画だったわけだ。
そして、世界的な混乱も落ち着きつつあった2023年(※)。国を跨いでの移動がしやすくなり、待望の3Dお披露目も実現したとなれば、VRChatを使う機会が減っても不思議ではない。しかもhololiveENとして大きなリアルイベントを開催するということは、そのための準備で忙しくなるのも当然だ。
――というのはすべて外部からの推測に過ぎないが、例年よりも少なかったとはいえ、VRChat配信がゼロになったわけではない。
ハロウィンのVRコラボこそなかったものの、4月には小鳥遊キアラさんが企画したイースターコラボで盛り上がっていたし、個人配信でVRChatを使っているホロメンも見受けられる。見方によっては、「ソロでのカラオケ枠や記念配信でのVRChat活用が広がった1年だった」と言ってもいいかもしれない。
前置きが長くなったが、ざっと振り返ってみよう。
- 日本国内の動向としては、2023年5月に新型コロナウイルスの5類以降と、水際対策の緩和が実施されている。
カラオケ枠、誕生日配信、リリースパーティーをVRChatで

VRコラボこそ減ったようにも見える2023年だが、ホロメン各々のチャンネルを見ると、VRChatを使った配信がたびたび行われていたことがわかる。
アユンダ・リスさんは、自身が誕生日を迎える1月中旬に「#HappyRisuDay2023」と題して複数の企画を実施。その1つとして、hololiveIDメンバーのオリジナル楽曲を歌うスペシャルステージをVRChatから届けた。リスさんは翌年1月にも同様のミニライブをVRChatで実施しており、その際にはAREA15の3人で新しいワールドも公開している。
3月には、セレス・ファウナさんが誕生日配信をVRChatで実施。議会組のVRChatコラボでも登場したワールドを散策しながら、リスナーたちと一緒に誕生日をお祝いした。


また、カラオケ枠で積極的にVRChatを活用していたのが、ハコス・ベールズさんだ。5月に2ndオリジナルソングがリリースされた際には、2時間半で20曲近くを歌うアフターパーティーを開催。7月には1st EPのリリースパーティーを、11月にはカラオケ枠を実施している。
ハコスさんのVRChat配信は基本的に固定カメラで行われるが、歌唱中も軽くステップを踏んだり、エアギターをしたりと全身の動きを見せてくれるため、見ていて飽きない。また、配信のたびにTシャツの柄を若干変えているようにも見え、遊び心も感じられる。ハコスさんはこの年、VRChat社のバーチャル・ナビゲーターにも就任しており、イベント会場でも活躍していたようだ。
❤️Thank you Anime NYC!!! ❤️
— Hakos Baelz🎲holoEN || STREAM 『狂宴-FEAST-』 (@hakosbaelz) November 18, 2023
I DID NOT REALISE THERE WERE THIS MANY PEOPLE😭😭😭
This lost child wants to thank everyone who attended and who watched through VRChat!!
IT'S ALWAYS A PLEASURE SINGING FOR YOU!!
Dawn of the Dork with a live audience…im so sorry.
….where will… pic.twitter.com/i9T5w6MfOF

もう1人、VRChatでのライブと言えば、やはりこの人は外せない。2021年にも「SMOL CALLI CONCERT」と題してVRChatでソロライブをしていた、森カリオペさんだ。
8月に自身のチャンネルで実施した3Dコンサートでは、おなじみのHololive English Smolverseの彼女のステージから配信をスタートし、新作EP『JIGOKU 6』をモチーフにした新衣装を披露。その後は場所を移動し、楽曲の展開にあわせて次々に空間が切り替わるスペシャルなVRライブを届けてくれた。
しかもこのライブで歌唱したのは、EPの収録曲すべて。それを無料ライブとしてVRChatから配信してくれるのだから、その大胆さとサービス精神には驚かされる。
- 「ホロライブEnglish」所属ハコス・ベールズ VRChat社のバーチャル・ナビゲーターに就任 | カバー株式会社
- 【#HappyRisuDay2023】LET’S SING HOLOID SONGS TONIGHT !!!【Ayunda Risu】 – YouTube
- 【BIRTHDAY STREAM】 Birthday kirin on your screen!! #Faunjoubi2023 – YouTube
- ≪AFTER PARTY KARAOKE≫ LET’S SING IN MY NEW CRIB!! + SPECIAL ANNOUNCEMENT – YouTube
- ≪歌枠 KARAOKE≫ Karaoke with Bae Roleplay in VR CHAT – YouTube
- ≪1st EP RELEASE PARTY!≫ STREAM 【Pandæmonium】+ SPECIAL THINGS IN VRLIVE – YouTube
- 【3D CONCERT】JIGOKU 6 RELEASE LIVE !! 地獄でライブやってる!! – YouTube
Anime NYCで公式ワールド「Hololive Meet」をオープン

2022年に続いて、2023年もAnime NYCにカバー社が出展。今回もVRChat社とコラボレーションし、ホロライブのタレントが出演するステージやコンサートが行われた。
2023年の新たな試みとしては、VRChat上に特設ワールド「Hololive Meet」をオープンしたことが挙げられる。ホロメンが主導して制作されたこれまでのワールドを除くと、この「Hololive Meet」がホロライブ初の公式VRChatワールドと言えるかもしれない。




ワールド内にはホロメン(+友人Aさん(※)&YAGOO氏(※))のパネルとグッズが展示されており、公開当初はパネルの横で記念撮影をしていたVRChatユーザーも多かった様子。Anime NYCの期間中はワールド内で現地の配信映像を見ることもできた。
また、リアル会場のAnime NYCのメインステージには、11月から12月にかけてアジアツアー「VRChat Presents viv:ID CRUISE hololive Meet Asia Tour」を実施していたhololiveIDのメンバーが登場。このツアーもVRChat社が公式スポンサーをしていることから、「ホロライブとVRChatがタッグを組んだ施策が次々に繰り出された1年だった」という見方もできるかもしれない。
🍎✈#hololiveMeet NY🍎✈
— hololive production (English) (@hololive_En) November 19, 2023
Thank you for joining us at hololive Meet x @VRChat space at #AnimeNYC Day 2!
Looking forward to another fun day with our fans tomorrow!
For those who can not make it to Anime NYC tomorrow – Log into #VRChat and join fans worldwide in the… pic.twitter.com/EoVORvWosw
- 友人A:VTuber事務所としてのホロライブを最初期から支えてきた裏方担当。通称「えーちゃん」。2024年6月末をもって退職。
- YAGOO:カバー株式会社の代表取締役社長、谷郷元昭氏の愛称。誕生日は12月10日。
2024年:
アメから青へ

2024年以降の出来事については、この記事で改めてまとめるまでもないかもしれない。リアルタイムで追いかけていてご存知の方も多いだろうし、すでに一部のメディアでまとめられているからだ。
とはいえ、2024年は本当に多くの出来事があった。冒頭でも触れた火威青さんの3Dお披露目配信以降、JPのホロメンが次々にVRChatに参入。ハロウィン企画では新人も交えつつ、国を超えた大型コラボが実現した一方で、立役者であるワトソン・アメリアさんが9月に配信活動を終了。いろいろな意味で象徴的な1年だった。
2018年から始まり、せっかくここまで5年以上を振り返ってきたので、2024年の出来事も改めて整理しておこう。
VRChatワールド「viv˸ID CRUISE Recall Party」公開

まず、2023年の流れを汲んだ施策として、2月に公開されたVRChatワールド「viv˸ID CRUISE Recall Party」がある。
インドネシアから始まり、アメリカとシンガポールを経由し、12月末のマレーシア公演で幕を下ろしたライブツアー「VRChat Presents viv:ID CRUISE hololive Meet Asia Tour」。その“クルーズ”を体験できるパーティー会場として用意された、ライブ映像の視聴ワールドだ。2月11日には、約1時間のライブ映像が配信された。
空間としては「Hololive Meet」のワールドとほぼ同じ構造だが、時間帯が夜になっていたり、パネルとグッズのラインナップが一部変わっていたりと、若干の違いもある様子。現在もワールドは公開中で、ライブに出演したアユンダ・リスさん、ムーナ・ホシノヴァさん、パヴォリア・レイネさん、こぼ・かなえるさんの4人のパネルと記念撮影を楽しめる。




VRChat歴は5年以上!火威青が示したVRの魅力と、ホロメンに伝播する熱

2024年を振り返るにあたって、やはりこのイケメン女子の存在は外せない。2023年9月にhololive DEV_ISからデビューしたユニット「ReGLOSS」に所属する、火威青さんだ。
まず前提として、青さんは2023年のデビュー配信の時点で、VRChatユーザーであることを明かしている。自己紹介で「VRChat」を趣味の1つに挙げており、その後もXで何度か話題にしていたのだ(※)。ただ、この頃はまだどのくらい遊んでいるのかは明らかになっていなかった。
その後、VRChatがインターネット上で注目を集めていた2024年夏を経て、9月にReGLOSS初の3Dライブ「Reach the top!」が開催。その直後、自身の3Dモデルのソロでのお披露目をする場所として青さんが選んだのが、VRChatだった。
スタッフさんが用意してくれた自室ワールドで行われた配信では、部屋の内装やぬいぐるみを紹介しつつ、3Dモデルの顔の良さをアピール。何より驚いたのが、「11点のフルトラッキング」というVR環境だ。「VRヘッドセット+左右のコントローラーの3点トラッキング」がVRの基本装備であり、両足にトラッカーを付けた5点トラッキングのユーザーもVRChatには多くいるが、11点トラッキングはそうそう見かけない。

そのような環境に加えて、「初代Oculus Quest(※)の頃からVRをやっている」「VR睡眠(※)もしている」「5年以上は遊んでいる」といった話からも本物のヘビーユーザーっぷりが垣間見えた、青さんのお披露目配信。彼女はこの配信以降、朝活などの雑談もVRで行うようになり、10月だけで6回ものVRChat配信を実施している。
そんな青さんの“ガチ”っぷりが爆速で伝わったのか、12月に開催された「バーチャルマーケット2024 Winter」では、青さんの部屋を再現したブースの出展が決定。Vketのアカウントにも登場して話題になった。そして注目したいのが、Vketに関連して、彼女がVRChatで活躍するクリエイターたちをフィーチャーした配信を実施したことだ。

青さんはVket配信を2回実施しており、1回目の時はVRChatの人気パフォーマー・ニックさんが登場。無言ながら多芸すぎる宇宙人と出展ブースを見てまわった。さらにVket最終日には、出展クリエイターへのインタビュー企画を実施。ワールドを巡りながらクリエイターに話を聞くことで、Vketの規模感と多様性、ものづくりの魅力と楽しさを伝えてくれた。
このように、ホロメンだけにとどまらず、「VRの世界にはすごい人たちがいる」「こんなにおもしろいものがある」ということを積極的に紹介しようとしている点が、青さんのVRChat配信の大きな特徴だと言える。そんな彼女のVRに対するアツい思いは以下のインタビュー記事でも詳しく書かれているので、ぜひあわせて読んでみてほしい。

- 火威青さんのポストを見ると、2024年1月には同期の轟はじめさんにも布教していたようだ(参考ポスト)。
- Oculus Quest:2019年5月にFacebook社(当時)が発売した、一体型VRヘッドセット。同社の社名変更後は「Meta Quest」に改称し、2025年現在は「Meta Quest 3(3S)」が現行機として販売中。
- VR睡眠:ソーシャルVRのユーザーがヘッドセットを装着した状態で睡眠する行為のこと。「V睡」とも言われる。特にVRChatにはVR睡眠が習慣化しているユーザーも多く、VR睡眠のためのワールドが存在するほか、専用の枕も販売されている。
配信活動を終了するワトソン・アメリアが切り拓いてきた道と、最後に残した足跡

青さんがVRChatで3Dお披露目配信を実施した、同日昼(日本時間)。配信活動終了(※)を間近に控えたワトソン・アメリアさん――もといスモールアメの姿が、VRChatの見慣れない水族館ワールドにあった。
彼女がこの日実施したのは、海洋保全のチャリティ配信だ。「寄付金額に応じて水族館ワールドの展示エリアの公開範囲が拡大し、ストレッチゴールを達成すると、VRChatでワールドが一般公開される」という趣旨で行われ、やがて目標金額を達成。最終的には20万ドルオーバーの支援額を集める大成功を収めた(参考ページ)。
のちに公開されたこの水族館の名前は、「HoloAquarium」。3年間、VRChatで数々の企画を手掛けてきたアメリアさんが、最後にプロデュースしたワールドとなる。
この水族館で見ることができるのは、ホロメンをモチーフにした海洋生物たち。配信では、海洋環境が直面している問題についても触れつつ、水族館で暮らすチャーミングな生物たちがアメリアさんによって紹介された。途中からはhololiveENのメンバーも合流し、6人で水族館を散策して楽しんだ(七詩ムメイさん、古石ビジューさん、ラオーラ・パンテーラさん、セシリア・イマーグリーンさん、オーロ・クロニーさん)。

そして、その2日後。自身のチャンネルで最後の配信(※)をしたアメリアさんは、ホロライブのタレントとしての配信活動を終了し、一旦は活動の幕を下ろすことになる。HoloAquariumという、最高の置き土産を残して。
ここまで取り上げてきた企画や配信を見るだけでも、彼女が周囲に、特にhololiveENに与えた影響は計り知れない。それどころか、彼女が仲間たちと切り拓いてきた道は、「ホロライブ」というグループ全体にも小さくない影響を及ぼしている可能性がある。
1人のユーザーとして、技術屋として、タレントとしてVRChatに飛び込み、周囲の仲間とクリエイターも巻き込みながら、その刺激的な世界の存在と魅力を、リスナーに向けて伝えてきた。そんなアメリアさんの存在があったからこそ、その後の公式の企画や施策に繋がった――。そのような側面が少なからずあったとしても、別に不思議ではないはずだ。
後日、HoloAquariumを訪れた青さんも「心の師」「本当に尊敬する先輩」と話していたように、アメリアさんがいたからこそ、今のホロライブとVRChatの関係がある。それは間違いない。愛すべき偉大な探偵の足跡は、今もずっと、バーチャル世界に残されている。
- 【CHARITY STREAM】🌊Ame 4 Ocean Conservation🐠🐟🐡🌊 – YouTube
- 【VRChat】アメリア先輩のholoAquarium旅行【火威青 】 – YouTube
- 【VRChat】Visiting holoAquarium!!!! Can I see feesh? 🔍 【with Zenya 】 – YouTube
- 【VRChat – holoAquarium】ZENYA Visits Ame’s holoAquarium World!【hololive ID | Anya Melfissa】 – YouTube
- 【VRChat】Ame Senpai’s Aquarium Visit (Time Tentative) – YouTube
- ホロライブの「配信活動終了」と「卒業」の違いについては、こちらのnoteを参照ください。
- 最後の配信は神話組の2周年配信で使われたライブハウスの空間で行われたが、3Dモデルの動きを見るかぎり、さすがにVRChatではなかったようだ。
総勢19名が参加した大型VRChat企画「Justice’s Haunted Investigation」

2022年の「Hololive ESCAPE ROOM」以来となる、ホロメンによるVRChatでのハロウィン企画「Justice’s Haunted Investigation」。今回は総勢19人が参加する、ホロライブのVRChat配信としては過去最大規模の大型コラボとなった。
集まったホロメンたちに課されたのは、呪われた邸宅の調査。配信ではまず、2024年6月にデビューしたhololiveEN所属ユニット「Justice」のメンバーからルール説明があり、4チームに分かれて館内の探索をスタート。謎とパズルに挑むホロメンたちの様子を好きな視点から楽しめる、豪華なコラボとなった。
企画としては「Hololive ESCAPE ROOM」を思い起こす内容だが、注目すべきは、その規模と参加メンバーだろう。
2年前は「hololiveENのVRChatハロウィンコラボ」として開催されたが、今回はENから10人、IDから4人、JPから5人が参加する大型コラボに。しかもJusticeとAdventのメンバーは、新たに用意されたミニマムな3Dモデルでの参加である。

このようなEN・ID・JPの枠を越えてのコラボは、Minecraftを使った大型企画などでもたびたび実現しているため、決して珍しいわけではない。だが一方で、ホロメン各々の体の動きが可視化されやすいVR空間でのコラボは、他の大型企画とはまた違ったおもしろさがあったようにも見える。
特に、自身のミニキャラを持たないJP勢が参加することで生まれた「身長差」の要素によって、新鮮な絡みが生まれていたのはおもしろい。フワモコの2人が“絶対領域審査員”と称して走り回っていたり、ハロウィン衣装を用意していった青さんが引率の先生のような絵面になっていたりと、普段は見られないやり取りが繰り広げられていた(※)。

- と思ったが、フワモコはMinecraftやGTAでも似たようなムーブをしているので、平常運転と言えば平常運転である。
次々にVRChatの世界へと飛び込むJPのホロメンたち

青さんに触発されたのか、それまではロボ子さんとアキロゼさん以外は大きな動きのなかったホロライブJPのメンバーが、ついにVRChatの世界へと飛び込んでくるようになる。
最初に動いたのは、宝鐘マリンさんだ。
青さんの3D配信の最中にいち早く反応し、11月にはVRChatで「無言配信者クマリン」の3Dモデルをお披露目。火威青さんのサポートのもと、クマリンちゃんが動き回るほんわかキュートな配信を実施した。数日後には青さんのチャンネルでもコラボ配信を行い、クマリンちゃんとイケメン女子との心温まる交流が繰り広げられた。


10月にSNSで興味を示していた白上フブキさんは、Justice’s Haunted InvestigationでVRChatデビュー。ちなみに過去の投稿を遡ってみたところ、2018年の時点でロボ子さんの配信を見て興味を示すなど、実は以前から気にはなっていたようだ(参考ポスト)。
12月にはソロでのワールド巡りも行い、同月だけで5回のVRChat配信を実施している。「8番出口」や「Charcoal」といった定番ゲームに挑戦する一方、きれいなワールドでの雑談も長時間こなしていて、すっかり馴染んでいる様子。2025年に入ってからはBOOTHで購入した衣装を着ての配信も行うなど、VRChatのカルチャーにも親しみつつあるようだ。

- 【はじめてのVRChat】無言配信者クマリン3Dお披露目!!VRCマリン船長と事務所探索【ホロライブ/宝鐘マリン】 – YouTube
- 【VRChat】ある日森の中クマリンちゃんに出会った【火威青×宝鐘マリン 】 – YouTube
- 【VRChat】素敵なワールドでのんびり雑談。【ホロライブ/白上フブキ】 – YouTube
- 【VRChat】次の標的は【8番出口】乗り込んで攻略するぞ!!!! – YouTube
- 【VRChat】完全初見で謎解きマップ『Charcoal』へ遊びに行く!!【ホロライブ/白上フブキ】 – YouTube
- 【#vket2024winter 】バーチャルマーケットへ潜入調査!!…何だか見覚えのある人が……イルンダガ【ホロライブ/白上フブキ】 – YouTube
- 【VRChat】ワールド巡り雑談!良いスポットでクリスマスと旅行話♪【ホロライブ/白上フブキ】 – YouTube
- 【VRCHAT】But it’s just me laying around in different VR Worlds (Happy Thanksgiving?) – YouTube
誕生日配信のライブワールド&自作クリスマスワールドにも注目

VRChat関係の話題には事欠かない2024年だが、実はホロライブ関係のワールドが最も多く公開された年でもある(※)。ここまでにも「viv˸ID CRUISE Recall Party」と「HoloAquarium」を取り上げているが、少なくともあと2つ、ホロメンと関係のあるワールドが一般公開されているのだ。
1つは、「Ayunda Risu’s Club and Apartment」。
1月に行われたアユンダ・リスさんの誕生日配信で使われたワールドで、8月に一般公開された。大枠としては「リスさんの誕生日ライブのステージ」として作られているが、ステージ裏ではAREA15の3人のマスコットアバターが入手でき、奥に進むとリスさんのアパートエリアもある。

もう1つは、「Shiori’s Winter Wonderland」。こちらは、Advent所属のシオリ・ノヴェラさんがクリスマス配信で公開したワールドだ。
このワールドの制作者は、なんとシオリさん本人。ワールドの各所には、彼女のリスナーであるNovelitesたちが作成したアセットも多数設置されている。「クリエイターの力も借りつつ、ファンコミュニティと一緒になって作り上げたワールド」という意味では、初期のアメリアさんたちの流れを汲む取り組みとも言えるかもしれない。
Merry Christmas!🎄
— Shiori Novella 👁🗨 holoEN (@shiorinovella) December 26, 2024
Here is the VRChat world I made just for the holidays!
☃️World Link:https://t.co/CMRM8kChVK
Please feel free to share pictures with other Novelites on Twitter with the #ShiorinOnAir tag!
(If there's scuff, just pretend it's a feature -cough-.) pic.twitter.com/i0n5tsMUlF
- ファンメイドではなく、「公式ワールド」または「ホロメンが制作に携わっているワールド」という意味で。
コラム③「ホロスターズとVRChat」

火威青さんに触発されてVRChatに飛び込んできた、日本のホロメンたち。時を同じくして、ホロライブプロダクション傘下の男性VTuberグループ「ホロスターズ」の面々も、比較的早い段階からVRChat配信を行うようになっている。
中でも2022年にデビューした「UPROAR!!」の羽継烏有さんは、青さんの3Dお披露目から2週間と経たずにVRChat配信を実施。
話によれば、VTuberデビューしてからはログインできていなかったものの、もともとVRChatで遊んでいたという烏有さん。随分昔に作ったという自作ワールドで、VRChatトークを繰り広げた。「(櫻歌)ミコちゃんとか、右近ちゃんとか……」「俺が(遊んでた時に)流行ってたアバターって、ミーシェちゃんとかスノウエルフちゃんだったから」と話しており、2018〜2019年頃からのユーザーであることがうかがえる(※)。

ホロスターズのメンバーとしては、同じく「UPROAR!!」の水無世燐央さんと夜十神封魔さん、そして3期生の影山シエンさんも、烏有さんとVRChatでコラボ配信を実施。また、1期生の花咲みやびさんは5月に「PROJECT: SUMMER FLARE(※)」を訪問。夏を壊した後もワールド散策を続行するタフっぷりを見せつつ、VRの世界を楽しんでいた。
- ここで挙げられているのは、いずれもVRChat向けに公開されている3Dアバターの名前。BOOTHで販売されている3Dモデルの数がまだ少なく、使えるアバターの選択肢が限られていた時期に、ハイクオリティなアバターとして人気を博した。
- PROJECT: SUMMER FLARE:VRChatの人気ワールド。VRChatユーザーのあいだでは、このワールドでの体験を指して「夏を壊す」と表現される。