【サンリオVfes2023】全人類に見てほしいVRライブ&パフォーマンスを振り返る【B4チルパーク】

memex

多彩な空間演出に、さまざまな音楽、さらにはサンリオキャラクターのkawaiiステージまで楽しめてしまう、チルパーク。

それぞれに異なる、さまざまな要素や魅力が内包されているそれらステージの中で、ずば抜けた「カッコよさ」で魅せていたのが、memexだ。めめーっくす!

実のところ、memexのライブをVRで見るのはこれが2回目。たびたびチャンスはあったものの、ことごとくタイミングが悪くてリアルタイムでは覗けていなかったのです。実際に見られたのは数年前のclusterでのライブだったと記憶しているので、ある意味では念願の体験となる。ありがとう、memex。ありがとう、サンリオバーチャルフェス。

そうして実際に目の当たりにしたmemexのステージは、開始30秒で「これが見たかったんだよォ!」と叫びたくなるものだった。

冒頭の語りでじわじわと引き込まれ、空間が書き換わるのを見てどんどん期待感が高まり、ステージ上に出現したメガホンを見て、にやけた口角がチルパークの天井を突き破った。――そう、memexはチルパークを破壊しない。ならば壊そう、この己の口角が。

そして始まる1曲目『Observer Effect』

と同時に、突如現れた謎のカーソルが、音を出しながらフロアにいる観客たちの頭上を行き交い始める。なんだなんだとざわめく群衆の中から、ややあって「自分たちのいる位置を追従している……?」という声が聞こえてきた。それに答えるかのように、ステージからは「一緒に作る時間、やっていきましょう」と呼びかけるアランさん。

つまり、僕らも「楽器」として参加している……ってコト!?

その後のぴぽさんの説明によると、「最初の2曲は、この空間に仕掛けたギミックを使って、みなさんと作る音楽をお届けしました」とのこと。

この“ギミック”に関しては、フェス終了後にmemexの公式Twitterから解説動画が出されており、VRChatのワールドとしても公開されている模様。興味のある人はぜひ覗きに行ってみてください。僕もあとで行きます。

コール・アンド・レスポンスとはまた異なる、このインタラクティブなライブ体験は、フェス全体を通しても唯一無二だったんじゃなかろうか。強いて言えば、パレードのハートライトから発せられるエフェクトが近かったかもしれない。ともあれ、観客も“参加している”実感が強く得られるライブだったのは間違いない。

続く『heterodoxy』『Altarage』でも、多彩な表現で魅せてくれたmemex。足元には花が咲き乱れ、空間には稲妻が走り、そして水没するフロア。次々に繰り出されるそれは、楽曲中で歌われる“魔女”が放つ魔法そのもののようだった。

あの手この手の表現で観客を魅了していた一方で、チルパークにおいてどの出演者よりも「音楽ライブ」をやっていたのが、memexだったようにも思う。現実では再現不可能な空間表現で演出しつつも、その中心には常に、ステージに立つ2人の歌と音楽があった。

セットリスト
  1. Observer Effect
  2. Breathing Trigger InteractiveSpotify
  3. heterodoxyYouTube / Spotify
  4. AltarageSpotify

約束

恥ずかしながら完全初見だった、約束さんのパーティクルライブ。

ポップでキュートでファンシーなビジュアルからして、こちらはサンリオ的な「kawaii」に寄ったパフォーマンスを見られるのかしら……とドキドキしながら向かったにもかかわらず、うっかり少し遅刻してしまった自分。

あとになって「冒頭でましゅましゅも出たらしい」と知り、チクショーッ!! と軽く悔しがったもの、遅刻したことで逆に衝撃的な体験になったような気もする。というのも、「ましゅましゅが出た」という前提と前フリがない状態で、いきなり『惑星のダンスフロア』を眼前に突きつけられることになったからだ。……え!? ででで、でるみんさん!?!?

到着したタイミングとしては、Twitterでも言及している人の多かった「あまりにも丁寧すぎる注意事項の説明」の途中。

「なんてわかりやすくてありがたい説明なんだ……!」と周囲の人と一緒に感激していた(実際に感激する声が聞かれていた)ため、楽曲紹介も聞き逃す始末。結果、「何も知らないまま、よく聴いていた曲のイントロがどーん!!」状態になったわけです。

これにはマジでびっくりした。しかもデルミン本人まで出てくるとは思わないじゃん!?

そうして始まったパーティクルライブの内容も、想像を上回るクオリティ。

比較的ゆったりと展開したAメロから、Bメロに突入するやいなや急加速。次々に現れる光のエフェクトと歌詞表現を見て、周りの人と一緒に「すげー!」「どうなってんの!?」などと声を上げずにはいられなかった。

それと、この曲はいつもSpotifyで聴いていたのですぐには気づけなかったのですが……なんとなく既視感があると思ったら、公式MVの表現が随所に取り入れられていたんですね……! サビのビジュアルや2番のキネティックタイポグラフィでMVを参照しつつ、VRならではの立体的な動きやアイテムも加えているので、見比べてみるのも楽しい。

オニギリクママンもしっかり登場していて、感動の大うずしおです!!

戊屡神ゆゆ

戊屡神ゆゆさんのパーティクルライブも同じく初見。

先に見た約束さんのパフォーマンスがデルミンだったため、「もしかして……?」と思いつつ覗きに行ったら……やっぱり! こちらはクロミちゃんだーーー!!

サンリオキャラクターズのミニライブと同様のサイズ感で、チルパークのステージに登場したクロミちゃん。ただし周囲はすでにポップな空間に切り替わっており、そのまま『Greedy Greedy』のパーティクルライブがスタート。

無数のエフェクトと立体的な歌詞演出で魅せるパーティクルライブでありつつ、巨大なクロミちゃんを見上げるような形になるセリフ部分では思わず声が出た。周囲の観客さんも盛り上がっていた様子。

キャラクターであり歌唱者でもある「クロミ」の存在を中心に据えたパフォーマンスであり、2DMVやリアルのショーとはまた違った視点からその魅力を際立たせていたライブ。サンリオファンには高確率で刺さりそう――というかファンにこそ見てほしいコンテンツだと感じました。

その流れでふと思ったのが、「キャラクターごとにパーティクルライブがあったらいいな」ということ。

今回はリアルのピューロランドでもVR体験会をやっていたとの話ですし、「Quest単機で気軽に楽しめるパーティクルライブ体験」として、サンリオのみんなほど適したキャラクターもそうそういないんじゃないかしら……! ファンにとっても素敵な体験になりそう。

刺激的で斬新なVR体験とは別に、先ほどの約束さんとあわせて、「サンリオキャラクターのパーティクルライブ」の流れもまた、今後このサンリオバーチャルフェスで見られたらいいなと感じました。また別の話になるけれど、パレードもすごかったし! 10回前後は見たはず!

セットリスト
  1. Greedy GreedyYouTube / Spotify
1 2 3 4
【サムネイル】サンリオVfes2023

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアはこちらから

この記事を書いた人

けいろーのアバター けいろー バーチャルライター

フリーライター。VTuber/VR関係のメディアとしては、MoguliveやVtuber Postに寄稿。インタビューやライブレポートなどを担当している。その他実績として、コミックナタリー、ふたまん+、SUUMOタウン、ぐるなび みんなのごはん、『初音ミクエキスポ』公式パンフレット、双葉社『EX大衆』VTuber特集、日本看護協会出版会『創造られたヒロイン、ナイチンゲールの虚像と実像』など