VRだけでなくパソコンやスマートフォンからもアクセスできるメタバースプラットフォーム「cluster」。
このページでは、clusterの「イベント」機能についてご紹介。実際にどのようなイベントがあるのか具体例も挙げつつ、個人でも気軽に主催できるイベント機能の魅力を紐解きます。
clusterのイベント機能の特徴は?
最大の特徴は、個人ユーザーでも気軽にイベントを主催できること。他のメタバースと比べると、イベントを円滑に進めるための仕組みがサービス側で整備されている。「最大500人」という同時接続数も魅力。
具体的にはどんなイベントが開催されている?
トークイベントや音楽ライブはもちろん、バラエティ番組やラジオの公開収録も行われている。他方では、「みんなでラジオ体操をしよう!」というゆるい集まりや、「暇な人、一緒にお話しませんか?」くらいの気軽さで開かれているイベントも多い。
イベントの参加方法は?
clusterにログインした状態で、メニュー内の「イベント」の項目から開催中のイベントを選択。すると、会場に入場できる。あるいは公式サイトのイベントページで入場リンクをクリックすると、clusterを起動して直接イベント会場に入れる。
clusterの「イベント」機能とは? 4つの特徴をチェック!
複数人が同じ空間に集まって交流できるclusterでは、日々多くのバーチャルイベントが開催されています。
たとえば、派手な演出が見られるVTuberの音楽ライブや、フロアで踊れるDJイベント。ラジオの公開収録や、お笑いライブ。企業が主催する硬派なトークイベントがあるかと思えば、参加者みんなで体を動かすラジオ体操イベントなどもあります。
ジャンルもさまざまなイベントが開催されているclusterですが、他のメタバースと比べてみると、「clusterのイベント機能ならでは」の特色があります。4つのポイントに分けて見ていきましょう。
特徴①「誰でも気軽にイベントを主催できる!」

「イベント」と聞くと「企業や団体が主催する催事」という印象もあるかもしれませんが、clusterで開催されているイベントの大多数は、個人のユーザーが主催しています。
たとえば、弾き語りライブやDJイベントなどの音楽系は定番。参加者みんなでゲームをして遊んだり、筋トレをしたりするような、ゆるい雰囲気のイベントも少なくありません。「暇な人、一緒にお話しませんか?」くらいの気軽さで開かれているイベントもあります。
特筆すべきポイントとしては、公式の「機能」としてイベントを開催できる点も、実はclusterの特徴の1つ。
VRChatをはじめとする他のメタバースでも多くのイベントが開催されていますが、サービス自体に「イベント」の機能があるわけではありません。たとえばVRChatの場合、有志が作ったツールを使ってイベント情報を調べることはできますが、専門用語も多いため、初心者からするとイベントに参加するハードルは少々高いと言わざるを得ません。

その点、サービス側で「イベント機能」が実装されているclusterなら、イベントへの参加も簡単。アプリやWebサイト上で「開催中のイベント」の一覧を確認できるので、誰でもイベント会場に出入りしやすい仕組みになっています。ボタン1つで入場できるわかりやすさも魅力ですね。
参加するにせよ、主催するにせよ、気軽にイベントを楽しめること。それが、clusterのイベント機能の大きな特徴であり魅力だと言えるでしょう1。
特徴②「最大500人が同時に参加できる!」

2つ目の特徴は、「最大500人」という同時接続数です。
メタバースにもいろいろありますが、同じ空間に同時に入れる人数はそれほど多くはありません。基本的には数十人、多くても最大100人といったところでしょうか。
ですが、clusterの場合はなんと500人!
現実世界ならちょっとしたイベントホール並のキャパシティの空間で、誰もがイベントを開催できるわけです。もちろん、会場のレンタル料などの費用もかかりません。参加者も電車に揺られて移動する必要はなく、全世界のどこからでもアクセスできます。

ただし、さすがに500人の姿と動きを同時に読み込むのは難しいため、clusterのイベントでは「空間上に表示されるのは最大100人まで」と上限が定められています。
先着100人までの来場者は表示されますが、101人目以降の来場者は自分のアバターが描画されず、周囲からも姿が見えません。テキストチャットは使えますし、同じ空間に存在はしていますが、透明な「ゴースト」としてイベントに参加する格好となります2。
それでも100人までは空間上に表示されるため、ビジュアルとしてはかなりの大人数に見えます。継続利用しているユーザーが一定数いるメタバースで、これほどの「人が集まっている感」を可視化できるサービスは、他にはほとんど例がありません3。「大勢が一堂に会することのできるメタバースである」ことも、clusterならではの魅力だと言えるでしょう。
特徴③「さまざまなワールドをイベント会場として使える」

clusterでは、さまざまなワールドをイベント会場として利用することができます。
たとえば、レクチャーホール、ライブハウス、クイズ会場など、公式が提供しているデフォルト会場だけでも選択肢は豊富。これらのワールドにはスクリーンやコメントボードといった基本的な設備が備わっているため、すぐにでもイベントを開催できます。
また、デフォルト会場だけでなく、ユーザーが制作したワールドを使うことも可能。イベント利用を許可している空間に限られますが、調べてみると多くのワールドが使えることがわかります。ライブステージやDJフロア、おしゃれなバーやくつろげるスペースなど、公開されているワールドも多種多様。きっとイベントにぴったりのワールドが見つかるはずです。
【ワンポイント】イベント会場を自分で「作る」こともできる!
clusterには「ワールドクラフト」という機能があり、3Dモデリングの知識がなくてもワールドを作ることができます。詳しくは公式のガイドページを参照ください。
特徴④「イベントを円滑に進めるための機能が多数実装されている」
イベント主催者向けの便利な機能が実装されているのも、clusterの特徴の1つ。ユーザーごとに使える機能を制限したり、逆に権限を与えたりすることで、イベントを円滑に運営することができます。
たとえば、複数人の登壇者がステージ上で発表をする、プレゼンイベントを開催するとしましょう。
もし、何も制限がない状態でプレゼンをしようとすると、発表中に観客の声や環境音が耳に入って気が散ったり、途中入場した人が間違えてステージに上がってきたりしてしまう可能性があります。たとえ観客のマナーが良かったとしても、荒らしが入ってきてイベントの進行を邪魔する可能性もゼロではありません。
そこで便利なのが、clusterのイベントにおける「権限」のシステムです4。

権限ごとに「スタッフ以外はボイスチャットOFF」「一般参加者はステージに上がれない」といった制限をあらかじめ設けることで、前述のような懸念を解消できます。また、参加者に対して個別に「ゲスト」の権限を付与することも可能。ゲスト権限によって一時的にボイスチャットで発表してもらったり、ステージに上がってきてもらったりすることができます。
このような機能を公式が用意してくれているメタバースは、意外と多くありません。「スマホで遊べるメタバース」であると同時に、「イベントを開催しやすいメタバース」である点もclusterの魅力だと言えるでしょう。
具体的にはどんなイベントがあるの?
では、clusterではどのようなイベントが開催されているのでしょうか。ほんの一部ではありますが、ユーザー主導で開催された(企業主催ではない)過去のイベントの中からいくつかを紹介します。
いずれも筆者が関わっているイベントなので偏りはありますが、「このようなジャンルのイベントが開催されている」という参考にしていただければ幸いです。
音楽ライブ:バーチャルならではのきれいなステージで歌える

2018年以降、企業主催のVTuberライブがたびたび行われてきたclusterですが、現在は個人ユーザーによるライブイベントも毎日のように開催されています。
ただし「ライブ」と言っても、その内容はさまざま。ステージ上で歌って踊るアイドルライブもあれば、落ち着いた雰囲気のバーで行われるジャズライブなどもあります。毎週決まった曜日に定期ライブを開催している人もいますし、ミュージカルやDJイベントも音楽系の「ライブイベント」に分類しても良いかもしれません。

一例として紹介したいのが、こちらの「Luminight Music Live」。VTuberの七篠さよさんとおまるさんの2人が主催する音楽ライブです。
月明かりの下でピアノの音色と歌声を楽しめるライブで、空間をきれいに彩るバーチャルならではの演出も魅力。2人以外のVTuber/VSingerがゲストとして出演することもあります。
このイベントはYouTubeでも同時配信されており、cluster側ではカメラマンや演出担当のスタッフが裏方として手伝っていますが、企業が主催する有料ライブではありません。個人の活動者たちが協力して作り上げている無料ライブであり、観客は全国どこからでもその会場にアクセスして、歌と音楽を楽しめます。
clusterではこのような音楽ライブが他にもたくさん開催されていますが、その多くが無料イベントであり、どんな人でも気軽に参加できます。「ライブハウスにふらっと入って音楽を楽しめる」のは現実のライブの楽しさでもありますが、clusterのイベント全般に共通する魅力でもあると言えるでしょう。

【ワンポイント】最初は「路上ライブ」から始めてもOK!
イベントの話からは少々逸れますが、大勢のユーザーが行き来するパブリック空間の「ロビー」で路上ライブをしている人もいます。「いきなり“イベント”として開催するのはちょっと……」という方は、まずは路上ライブから始めてみてもいいかもしれません。
バラエティ番組:権限を使った参加型企画も可能

先ほど、clusterのイベントにおける「権限」について説明しましたが、この機能を活用すると、以下のようなことができます。
- 複数の出演者が同じ空間でコラボレーションできる
- 「ステージ」と「客席」を分けられる
- お客さんを「ゲスト」としてステージに上げることも可能
- YouTube配信もできる
この権限をうまく使って開催されているのが、バラエティ番組のようなイベントです。

たとえば、筆者も参加している企画「まだ何も決まってない」。
YouTubeで月に1回放送しているバラエティ番組ですが、clusterの特設会場から「公開生放送」のスタイルで配信しているため、clusterユーザーは現地観覧が可能。YouTubeで配信を見るのとはまた違った感覚で、VTuberたちのトークやゲームを楽しめます。
それともう一点、イベントとしては特殊な事例ではありますが、「デスゲームジャム」についても紹介させてください。

こちらは「ワールド制作コンテスト」と「ゲーム観戦イベント」を組み合わせたイベントであり、clusterで活動するクリエイターやVTuberを巻き込んで行われた企画です。
企画全体の流れとしては、まず「“デスゲーム”をテーマにしたワールド制作コンテスト」を開催。企画概要を説明する開会式イベントをclusterの特設ワールドで開き、期間を指定して作品(ワールド)を募集しました。その後、集まったワールドの中から受賞作を決定。受賞発表会もcluster上で行われ、受賞者には賞品が授与されました。
さらにコンテストだけでは終わらず、「受賞ワールドを使ったゲームの観戦イベント」も開催。コンテストに参加したクリエイターたちも集まり、VTuberたちがデスゲームに挑戦する様子を、clusterの会場からリアルタイムで観戦しました。さながら「デスゲームを見物するVIP」のようで、ロールプレイをしながら楽しんでいる人も少なくなかったようです。
また、個人ユーザーが主催するイベントでありながら、企業や個人からの協賛を受けていたことも、このデスゲームジャムの特徴の1つ。詳しくは主催者のみずほコリさんによる振り返り記事がありますので、気になる方はぜひ読んでみてください。イベント運営の参考にもなるはずです。

clusterでイベントに参加するには?
ここからは、イベントの参加方法と作成方法についてそれぞれ見ていきましょう。
まずイベントに参加する方法ですが、特に難しい操作はありません。clusterにログインした状態で、メニュー内の「イベント」の項目から開催中のイベントを選ぶと、会場に入場できます。あるいは、公式サイトのイベントページや専用URLからのアクセスも可能です。
以下にそれぞれの手順を簡単にまとめましたので、初めてイベントに参加する方は参考にしてみてください。clusterのアプリ自体の始め方については、下記記事を参考にどうぞ。

方法①「アプリ内から参加する」
clusterアプリを起動中に直接イベントに参加する場合は、メニューの「イベント」の項目から、参加したいイベントを選びましょう。開催中のイベントであれば、直接入場することができます。




方法②「公式サイトから入場する」
clusterのアプリを起動していない状態で、公式サイトからイベントに入場することもできます。
サイト上のイベント一覧から気になるイベントを選択し、「会場に入る」をクリックしてclusterアプリを起動。すると、ホームワールドを経由せずに直接イベント会場へアクセスできます。






補足:イベントの詳細ページから入場する
主催者がSNSなどでイベントページを告知している場合は、公式サイトからイベントを探すのではなく、専用のURLから直接入場することもできます。
たとえば、こちらのポスト。cluster公式が情報発信&交流の場として定期開催している公式イベント「Hello Cluster」の告知ポストですが、YouTubeライブのURLとあわせて、clusterのリンクが掲載されています。
このリンクを開くとイベントの詳細ページが表示されるので(STEP4部分)、あとは「会場に入る」→「clusterで開く」の順番にクリックすればOK。clusterが起動し、イベント会場に入場できます。
clusterでイベントを主催してみよう!イベントの作成方法
続いて、clusterで「主催者」としてイベントを開催する方法を見ていきましょう。
「イベントの主催」と聞くと大変そうに感じますが、気軽にイベントを開けるのがclusterの魅力。ちょっとしたトークイベントや交流会でしたら、すぐにでもイベントを作成・開催できます。
イベント作成の手順は、なんとたったの4STEP。
順を追って見ていきましょう。




補足:イベント作成の各項目について
- イベント名・概要
-
イベントのタイトルと概要を記入する項目です。
イベント名は50字、概要は140字まで入力可能。詳しい内容は後述の「説明」の欄に記載できるので、無理に概要欄ですべてを説明しようとする必要はありません。一言二言でイベントの内容を説明しましょう。
- タグ
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イベントのジャンルやテーマを示すタグを、最大5つまで設定できます。
設定することで、そのタグに興味を持っている人から見つけてもらいやすくなります。下に表示されている「おすすめタグ」や、他のイベントページを参考にして設定しましょう。
- メイン画像
-
イベントの「顔」となる画像です。
YouTubeやWeb記事の「サムネイル」のようなイメージですね。画像の比率は16:9。
設定すると、イベント一覧のページに表示されます。 - スタッフ
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イベントを手伝う「スタッフ」を設定できる項目です。
スタッフには「管理者」の権限が与えられ、一般参加者にはできない操作や設定が可能となります。詳しくは公式のヘルプページを参照してください。
- イベントの説明
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イベントの詳細ページに表示される、イベントの説明欄です。
140字の文字数制限があった「概要」に対して、こちらでは長文で詳しくイベントの内容を説明できます。画像やリンクを挿入することも可能。出演者やスタッフの情報などもあわせて記載すると良いでしょう。
- 開催日時
-
イベントの開催日時を記入する項目です。
時間については、分単位で入力可能。イベントの詳細ページで「いいね」をしている人には、開場の30分前に通知が飛びます。
- コメントの公開
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イベント中に会場内でされたコメントを、イベントの詳細ページ上で公開するかしないかを設定できます。
- Xハッシュタグ
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参加者がイベントのページや写真をXでシェアする際に、自動で挿入されるハッシュタグを設定できます。
- YouTubeライブURL設定
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イベントの様子をYouTubeで配信する場合、YouTubeライブのURLを設定しておくと、ライブ配信上のYouTubeコメントをclusterのイベント内で確認できるようになります。
- 会場
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イベントを行う会場を設定する項目です。
デフォルトでは公式のカンファレンスルームになっていますが、「ワールドを選択」をクリックすると会場として使うワールドを自由に選ぶことができます。
イベントで使いたいワールドがある場合はあらかじめ「いいね」を付けておくと、「いいねしたワールド」から選べて便利です。
- イベント終了後に案内するワールド
-
イベント終了後、参加者におすすめするワールドを5つまで設定できます。
まとめ:イベントもいろいろ!まずは気軽に参加してみよう!
最後に、clusterのイベント機能の特徴を改めて整理してみましょう。
- 個人ユーザーでも簡単にイベントを主催できる
- スマホからもアクセスできる
- 最大500人まで参加できる
- さまざまなワールドを会場として使える
- イベント向けの機能が多数実装されている
個々の特徴だけ見ると決して珍しいものではないようにも感じますが、このすべての要素を兼ね備えていることは、間違いなくclusterの大きな強みです。
とはいえ、実際に参加してみないことにはピンとこない人も多いはず。参加して気づくこともあると思いますので、まずはイベント一覧から、気になるイベントがないかチェックしてみてください。誰でも参加できるイベントも多いので、気負わず入場してみましょう。
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目移りしてしまう場合は、cluster公式が定期開催している「Hello Cluster」が初めて参加するイベントとしてはおすすめです。
大勢のユーザーが参加するので自然と観客に溶け込めますし、clusterのいろいろな情報を知ることもできます。「cluster」というサービス自体の空気感もなんとなく掴めるかと思いますので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
- 逆に言えば、「自由度の高さがVRChatのイベントの魅力である」と言い換えることもできます。実際「コミュニティ」としての盛り上がりは、メタバースの中でもVRChatが頭一つ抜けていることは間違いありません。 ↩︎
- アバターの表示上限とゴースト – ヘルプセンター | cluster ↩︎
- 最大で数千人が入れる「めちゃバース」もありますが、「VR非対応」「カスタムアバターが使えない」といった制限があります。そもそも、どちらかと言えばビジネス向けのメタバースなので、「バーチャルSNS」であるclusterとは別種のサービスと言えるかもしれません。 ↩︎
- スタッフと管理者権限/一般参加者とゲスト権限 – ヘルプセンター | cluster ↩︎
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