【インタビュー】「みんなこれ好きだろ!?やろうぜ!」VTuber・白乃狼が語る“声”へのこだわりと、大型企画の考え方

【インタビュー】白乃狼

「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」という企画をご存知でしょうか。

その名のとおり「中性的な声を持つVTuberたちがプロポーズをする」シチュエーションボイス企画。 男女を問わず魅力的な「中性ボイス」を持つVTuberたちの声に浸れる、中性的な声が好きな人にとってはたまらない企画となっています。

この企画を主催しているのは、ご自身も素敵な中性ボイスの持ち主であるVTuber・白乃狼@hakuno_lanさん。

当サイトでは今回、12月に第4回「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」の開催を控えた白乃さんにインタビューを実施。白乃さんご自身のVTuber活動のお話はもちろん、大型企画の考え方や「声」に対するこだわりなど、たっぷり1時間にわたって語っていただきました。

インタビュー・執筆・編集 / けいろー(@K16writer

目次

社会勉強のためにVTuberデビュー!?傭兵見習いVTuber・白乃狼

――まずは自己紹介からお願いいたします。

白乃狼
はいはい! 傭兵見習いVTuber!
種族は人狼! 白乃狼だ!

俺は傭兵の部隊に所属していて、そこの部隊長につけてもらったのがこの名前。これは中国語の読み方で「狼」って書いて「らん」って読むらしいんだけど、「らん君」とか「らんちゃん」とか、そういうふうに呼ばれている人狼でーす! おねがいしゃーっす!

――しゃっす! 傭兵稼業をされているんですね?

白乃
そう、傭兵稼業をしてるんだけど、表に出て戦闘するとかはあんまりなくって、最近は護衛任務とかが多い感じ。ただシフト制なので、今日は早番で……朝5時に起きて、夕方17時くらいに終わり、みたいな。逆に夜間哨戒とかもあったりして、夜に徹夜して、ぐるぐる回ってみたりして、とか。場所も週替わりとか月替わりで替わったりして、一時期は魔王城に勤務してた。とある魔王さんがいたんだけど、その護衛任務含め本当にいろんなことをやってて。

……ま、あんまり詳しく言うとね! ちょっとあの、守秘義務的にやっぱりアウトなんで! まあでも一応「言っていいよ」とは言われている範囲での傭兵としての仕事は、だいたいそんな感じかなー。

――傭兵さんと聞くと堅そうなイメージも若干あったのですが、「カジュアルなお兄さん」みたいな感じで少し驚きました。

白乃
俺が入ってる傭兵部隊はそんなに大規模じゃないから、っていうのもあるかもなー。俺は7年前くらいに今の傭兵隊に拾われて、だいたい5年前くらいからは傭兵隊の副隊長のところで世話になってて。で、その副隊長が……まあ、ユルいんすわ!

――あー! なるほど! 副隊長譲りのカジュアルさ、と言いますか。

白乃
そうそう。そもそもうちの副隊長って、オタクなんすわ! 俺は「眼鏡タヌキ」とか裏で呼んだりしてるんだけど、そのくらいユルいから。で、俺自身もあの人の雰囲気や口調に影響されてるから……それで余計にユルく感じられるのかな。

――もしかして、そのオタクな副隊長さんきっかけでVTuber活動を始められた感じですか?

白乃
そうそうそうそう! 2年前の4月に俺が傭兵隊に入ってしばらくした頃に、「お前は常識が足りねえ!」って副隊長に言われて。ただでさえ俺、7年前までの記憶がないのに……。まあ昔いろいろあって少年兵をやってたんだけど、その少年兵時代にちょっとトラウマ的なあれやこれやがあって……そのせいで記憶をなくしちまって。

だから俺がよく覚えてることなんつったら、その傭兵隊と副隊長に拾われてからのことしかないわけで。そりゃあ「常識がなさすぎてやべえ」っていうのも、きっとそのとおりなんだろうなあと。それで「傭兵をやるにしても、もうちょっと外の世界のことを知ってこーい!」って言われて。だから……「VTuberやれ!」って(笑)。

――そこでVTuberにつながるんですね。

白乃
そうそう。だから傭兵の見習いの、ある種の研修……なのかなあ? よくわかんねーけど。そのあたりは。でも世間を知るための勉強の一貫としてVTuberをやってる、って感じかな。

副隊長、頭わりぃから……いや、良いんだけど! 実際は頭良いんだけど、ある意味でバカだから! なんで社会勉強で「VTuber」っていう発想が出てきたのかは知らないけど、なんかそんな感じで「やれ」って言われたね。

――VTuberとしてはどのような活動をされているのですか?

白乃
VTuberとしては本当にいろいろやってて……まあゲーム配信がメインになってんのかな。あとは雑談もやってるし。最近ちょっと力を入れてるのは、シチュエーションボイスの投稿かな。つい最近だとね、「DV彼氏シチュボ」なるものを投稿したね。

――投稿されてましたね! 反響もいい感じで。

白乃
1週間で500回とか再生されてて、ありがてえかぎりだなと。あとはバラエティ番組みたいな大型企画の主催とか、MC的なこととかもしてる。最近は減ったけど、「みんなでゲームしようぜー!」みたいなコラボ企画の取りまとめも結構やってたかな。

「最近の活動」っていう部分では、そんな感じ。ほかにも手ぇ出してる部分だと、TRPGとか歌配信とか、本当にいろいろやってるっつー感じかな。あ、それとASMRもやってる。ASMRは半分くらい雑談の一種だと思ってっから。機器を自分で買ってやってみたら……みんなが「らん君の声はよく寝れる」って言うから。

VTuber活動の魅力は「良い声&良い顔のVTuberと出会える」こと

――副隊長さんに言われて始めたVTuber活動ではありますが、実際にいろいろな活動をされてみて楽しいですか?

白乃
楽しいね! やっぱり! それこそさっき言ったけど、「あんまり人と関わってこなかった」ってのが大きくて。俺の世界って、VTuberを始める前までは本当にめちゃくちゃ小さかったんだよね。俺と似たような境遇の孤児とか、傭兵隊の仲間とか……まあそれ以外にもちょっとは友達もいるんだけど、そんなに多くなくて。それがVTtuberを始めたら、世界がぶあっと広がって。

だからそういう意味でも、一緒にコラボしてくれるVTuberには本当に感謝してる。あと、うちの隊員――あの、リスナーのことを白乃小隊の「隊員」って言ってて――俺、本当は見習いだから、小隊を持っちゃいけないんだけど(笑)。「隊長! 着いていきます!」って配信に来てくれるリスナーがいて、そんな隊員たちとコメントとかで話をするのももうめっちゃ楽しくて!

多分俺、元来は喋るのが好きなんだろうね。VTuber活動のなかでも、喋ったり交流したりするのはすごく楽しいなって思うし。あとは「自分のやってることが評価された」って感じたときも嬉しいかな。

――たとえば、どういったときでしょうか?

白乃
たとえば、さっき「大型企画としてバラエティ系の番組をやってる」って話をしたんだけど、評判が良い企画も結構あって。コメントやTwitterでの評判が良いと、「俺の考えでみんなが楽しんでくれてる! めっちゃ嬉しい!」って感じる。

あとはASMRで、「らん君の声、めっちゃ寝れた……本当に最後まで聞けない……俺、3回聞いてるけど、3回とも途中で寝て、最後まで聞いてない……」ってうちの隊員がツイートしてたときは、ゲラゲラ笑いながらふぁぼったね(笑)。そういうふうに、「自分がやってることがちゃんと評価されてる」「俺のことを通して楽しんでもらえてる」っていうのがわかると、やっぱり嬉しいな。

あ、それともう1個だけあって!

良い声、良い顔のVTuberに出会ったときは……楽しいねえ!!(大声)

これはね、ちょっとね、今の話の流れとはちょっと離れるけど、どうしても言いたかった!(笑)

https://twitter.com/hakuno_lan/status/1274315770667732997

――めちゃくちゃよくわかります(笑)。VTuber界には、声が素敵な人、顔が良い人、本当に大勢いらっしゃいますものね! ちなみに最近、気になっているVTuberさんはいますか?

白乃
最近……最近な……あんまり新規のVTuberをあされてないから……。もともと俺、自分で「推し」って言ってるVTuberが3人いて。

1人が、俺とユニットを組んでる烏羽やや。マジで声が良くて、すっげー好きで。あとは大型企画の「VtDash」で相方をやってる日輪あさひがね……「お前、その声のギャップなに!?」みたいな(笑)。

あさひはいわゆる「男の娘」なんだけど、顔を見ると超かわいいし、声を聞いてもめっちゃかわいいし。それが時々、ノベルゲームとかをやってるときに、急にイケボを出したりするんよ! 「あー!? ずるい!」ってなる。そのギャップのある声を聞かされた瞬間に、「この人、推そう!」って思った。

でもね……あいつと俺はね、雑な関係性だから。10月にあさひの誕生日凸待ち配信があって、ほかのみんなは「行きたいです!」「行ってもいいでしょうか」ってすごくちゃんとしたリプライを送ってるのね。でも俺だけ、「行く」って。そしたら「おけまる」って返ってきたからね(笑)。割とそういう雑な関係性をね、推しとやってるというね。

それでもう1人が、点屋八子っていう「えすぱす・とらむ」っていうグループの方で、挙げた3人のなかだと最近はあんまり交流できてないんだけど。

声が良いんだ……!
好きなんだ……!
点屋八子の声はマジで寝れるから……!

もう俺はね、あいつの声を何度聞いて寝たかわからん!(笑)15〜30分くらいの朗読動画を本人がやってて、それを聞いてると寝ちゃうね……。マジおすすめ。あれは寝れる。最近やってくれないから、やってくんねーかな、って思ってる。

八子はね、デビュー前からちょっと俺がお世話になってた、っつーのもあって。あさひとややの2人に関しては、VTuber活動をしていて、ほかの人との縁で出会えた、っていう感じ。さっきも言ったけど、いろんなVTuberさんと交流するなかで、自分が「うわ、この人めっちゃ好き!」って思える人に出会えるのはもう……幸せだね……。

時間が足りない問題と、それでも全力で取り組んだMV制作

――活動を続けるなかで縁が生まれるの、リスナー目線でもすごく素敵に感じます。楽しい話のあとで恐縮ですが、VTuberとして活動を続けるにあたって、逆に大変に感じることはありますか?

白乃
そう、超楽しい。でも同時に、超大変。っていうのも、時間がねー……足りねーんだわ……。作業量もそうだし、それこそ推したい奴もいるのに、最近は推しの配信もぜんぜん見られてないくらい忙しい。

俺自身が見習いから抜け出して一人前になるために、傭兵稼業で忙しくしてるってのもあるんだけど、とにかくVTuber活動にはやりたいことが多すぎて多すぎて。でも、ある程度はやっぱり休息をとらないと……人狼、死んじゃうから……。

――人間も死んじゃいますね……。

白乃
そう(笑)。人間よりは体が強いはずだけど、傭兵稼業はキッツいからさー。休みもあんまりなくて……連勤はざらだね……40連勤とかあるね……。そんなんだからさ、本当に自分がやりたいことと配信との兼ね合いもあるし、「どうしても時間が足りねぇなぁ」ってのが一番大変なことかな。

――忙しく過ごしつつも、もう2年間も活動を続けられているのはすごいと思います。ちなみに、これまでに投稿された作品や配信のなかで、特にお気に入りの動画はありますか?

白乃
お気に入りね! あれもこれも出てくるけど、ひとつ強いて言うなら、2020年のハロウィンに出した『trick and treat』の歌ってみた動画かな。さっき名前を出した烏羽ややとのユニット「FanGLiA」で歌ってる動画なんだけど、ミックス以外全部2人でやったんよ。イラストは烏羽やや、MVは俺で、1ヵ月くらいかけて。

どういうふうにしたら一番良い演出になるかとかもすっげー考えて、当時の全力を出して。今になって見ると、ちょっとガチャっとしちゃったかな、と思わなくもないけど。「今までこんなに時間をかけて動画を作ったことねえよ」というくらいの気持ちで取り組んで、新しい技術もいっぱい覚えられて、大変だったけど楽しかった。

――自分で作った映像がどんどん形になっていくのって、ちょっとした感動がありますよね。

白乃
あるある。最後に自分の声と重ね合わせて、ややから上がってきた絵を全部当てはめて、やりたいように動かして……完成したときの快感はヤバかったね。でもそうだな……歌ってみたもだけど、大型企画系もわりかし全部お気に入りになるかなあ……。

――あ、でしたらその流れで、次は企画のお話をお聞きできればと思います。

「みんな、これ好きだろ!?やろうぜ!」から始まる大型企画

――白乃さんといえばいくつかの大型企画を主催されていますが、過去にどのような企画配信をしているのか、それぞれ簡単に教えていただけますでしょうか。

白乃
はーい。今までにやった大型企画は……大まかに4つやったのかな? まずひとつめが、「ノリノリでかわいいセリフを言うだけのコラボ」。これはね、俺の思いつきで始まったコラボ企画。

よく罰ゲームとかで言わされるセリフって、やっぱり恥ずかしいじゃん? でも「それを恥ずかしいって思わずにノリノリで言ったら、クソ楽しいんじゃね?」ってツイートしてみたら、そしたら「めっちゃおもしろそうじゃん!」って桃枇はくとからリプライがきて、「企画すっかーーー!!」って(笑)。それがスタートだね。

【白乃狼】ノリノリでかわいいセリフを言うだけのコラボ
https://www.youtube.com/watch?v=L5Ryyn4UDww

――すると、企画の始まりからして「ノリ」だったわけですね。

白乃
そう! ノリで始めて、ノリでやって、ノリで第2回まで開催したね。1回目で反響が結構あって、その時点で「第2回もやりたいね」みたいな話をしてて。で、2回目もはくとに「やるぞ!」って言って、参加者を公募で集めて開催した感じ。

具体的には、「男性声の部」「中性声&ボイチェンの部」「女性声の部」の3つに分けて、ノリノリでかわいいセリフを言ってもらう、というのが主な企画内容かな。

バ美声……ボイスチェンジャーを使っている人をどこに入れるかは最初悩んだんだけど、「中性ボイスと混ぜるかー」って。ボイチェンを使ってる人は第1回と第2回でそれぞれ1人ずつしか出てないんだけど、この2人のボイチェンの精度があまりに高かったんだよね。そういう部分でも、「いろんな人を対象にした企画だった」とも言えるのかな。

そもそも大型企画自体、一番最初にやったのがこれだった。前々から「大型企画をやってみたい」とは思ってたんだけど、どんなふうにやったらいいのかがわかんなくて。そこで、実際に主催している人に「大型企画ってどうやってんの?」って聞いてみた感じ。

たとえば、「最終的に何かを評価して1位を決めるような形にする」のか、あるいは「純粋に参加者同士でワイワイ楽しむような形にする」のか。俺が聞いた話としては、「参加者をどういうふうに扱うのかを考えたうえで、リスナーが楽しめるかどうかを意識しながら作ってるよ」って教えてもらったんだったかな。

――当初から企画のやり方なども意識して取り組まれていたわけですね。「ノリノリでかわいいセリフを言うだけのコラボ」のあとは、どのような企画をされているのでしょうか。

白乃
その次は「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」かな。これも思いつきで始めたんだけど、きっかけは某2434さんのジューンブライドボイス。あるライバーさんが「僕と結婚してくれないの?」 ってツイートしたら、それに対してみんなから大量に告白が集まってるのが目に入って。

そのリプ欄を見てたら、「プロポーズしたりされたりするの、すごくおもしろいんじゃね?」って思って。それで「【ゆる募】1分くらいのプロポーズ台本を送ってくれる中性ボイスのVTuber」みたいな感じの募集ツイートをして、そこから始まったんだったかな。

【白乃狼】中性ボイスVtuberプロポーズリレー
https://www.youtube.com/watch?v=fHPQcxZqVhk

たしかこのとき、ほかにも2つの企画を同時進行で進めてて。第2回「ノリノリでかわいいセリフを言うだけのコラボ」と、この後ちょっと話そうと思ってる「V-Dash」――今は「VtDash」になってるんだけど――の2つを同時進行で進めつつ。これもさっき話した大変だったこと、「時間が足りない」の理由だね(笑)。

「あ、やっべ! 俺、3つも同時進行でやってて時間やべーわー!」って言ってたら、「何か手伝えることがあったら手伝うんで、ぜんぜん言ってください!」って、千城かやさんが声をかけてくれて。それで「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」については、かやさんに動画作りやデザインをお願いすることにした感じ。そうやって3つの企画を同時に進めていた2020年の6月はね……地獄だったね……。

――それでいて全部成し遂げているわけですから、本当にすごいと思います……!

白乃
俺がやってる企画って、全部相棒がいて。「ノリノリでかわいいセリフを言うだけのコラボ」には桃枇はくとがいて、「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」には千城かやさんがいて、この次に話す「VtDash」には日輪あさひがいて。あとはもうひとつ、1回しかやってない企画だけど「てぇてぇ王決定戦」っていうのがあって、 これは夢雪叶華が相棒として出てくれた。

だから実は俺、1人で大型企画をしたことがなくて。全部に相棒がいて、相棒におんぶに抱っこしてもらいながら二人三脚で進めてる、って感じだね。本当に、みんなで一緒に作ってる。参加してくれてるみんなもそうだし、コメントで盛り上げてくれるリスナーもそう。みんなが拡散してくれるおかげで参加者も集まってるし、そうやってみんなで作り上げてるのが、俺の大型企画なのかなと。

で、ここまでの2つは俺がノリとテンションで「こういうのやったらおもしろいんじゃない?」って思ったものを企画にしたものなんだけど。「VtDash(V-Dash)」に関しては、あさひのほうから誘われた感じ。

「狼くん、大型企画とか結構まわしてるよね? MCやれるよね? 新人VTuberを発掘する企画をやりたいんだけど、一緒にやんない?」って。俺もそういうのすごくやりたいなーって思ってたから、「いいよー」って言って始めたのが、デビューしてから3ヵ月以内の新人VTuberを発掘する企画「VtDash(V-Dash)」

今はちょっといろいろあってストップしちゃったんだけど、第3回まで開催して、全部で30組……30人以上のVTuberを取り上げて、紹介させてもらったことになるのかな。

【白乃狼】VtDash
https://www.youtube.com/watch?v=BVFj5zfL4hE

――VTuber発掘企画といえば、今年に入ってから各所で盛り上がっている印象がありますが、当時はまだあまりなかったですよね?

白乃
そう、あのね、ちょうど 俺たちが第3回の「VtDash」をやったときが、「#VTuberを発掘せよ」とドかぶりだったの。

これは裏話になるんだけど、「VtDash」が今止まってしまってる理由が……その、増えちゃったんだよね、発掘企画をやる人が。「#VTuberを発掘せよ」がすごく盛り上がって、ほかにもそういう企画をやる人が増えたのであれば、「俺たちがやっても、新人のみんなにあまり大きなものは還元できないんじゃないか」ってなっちゃって。

でも逆に言うと、そこからそういう企画が増えたのはよかったのかなと。それこそ第2回「VtDash」に出てくれたイトイシュンくんが音楽系の紹介番組をやってるんだけど、あれもある意味、うちの企画に出たからなのかな、っていう……。まあ、うぬぼれもあるかもしれないけど!(笑)

そうやって発掘・紹介系の企画をやってくれる人が、今はほかに出てきてくれてるから。俺たちがやった第1回「V-Dash」の頃は新人発掘企画なんてほとんどなかったし、そういう意味では良い先駆けになれたんじゃないかな。

――そうですね。個人主催のVTuber発掘企画は当時あまりなかったと記憶していますし、最初にやる人がいないと後が続かないので、そこは自信を持っていいのではないでしょうか!

白乃
そう言ってもらえると、マジ嬉しいかぎりだな……! 第1回の開催時は「VTuberの発掘企画なんてやってくれるんだ!」みたいな雰囲気があって、すごく盛り上がったね。

で、バレンタインの「一番尊いコンビはどこだ!第一回てぇてぇ王決定戦」は、俺がただてぇてぇを見たいからやった。――だってみんな、てぇてぇ見たいでしょ!?

【白乃狼】てぇてぇてぇ王決定戦
https://www.youtube.com/watch?v=w0FRj7t2XnA

――見たい!!!

白乃
「みんなてぇてぇ見たいよな!? じゃあみんなでてぇてぇ見よっか!」って言って集めた(笑)。

ここまでの話を簡潔にまとめられる言葉があって。「俺がやって楽しくって、参加者もやって楽しくって、リスナーも見て楽しい」という、Win-Win-Winな関係。一石三鳥な企画。俺がやってるのは、そういう企画。俺がノリとテンションで「これをやったら楽しいだろう」って思ったもの。

「これって、みんな好きっしょ? やろうや!」からの、そのうえで「じゃあ『やりたい!』って言ってくれる人〜! 手〜挙げて♪」って声をかけて、「は〜い!」って手を挙げてもらって、「じゃあやるかー!」っていう流れでやってるのが、俺の企画。「全員が楽しめる企画としてやろう!」ということは、いつも絶対に忘れないようにして進めてるかな。

――最初に自分自身の「やりたい!」や「好き!」の感情がないとやっぱり続けられないし、それを声に出して発信しているからこそ、同じような気持ちを持つ人が自然と集まってきているのかな、と白乃さんのお話を聞いていて感じました。

白乃
そうだね。実際「中性ボイスのプロポーズ、聞きたいじゃん!?」って言ってたら、なんか……いつのまにかに第4回まで開催決定しちゃった、っていうね(笑)。

自分が好きだからやってる、中性ボイスVtuberプロポーズリレー

――ではここからは、その「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」についてさらに詳しくお聞きできればと思います。少し前にTwitterでも話題になっていましたよね。

白乃
そうそう、プチバズを起こして(笑)。「ハスキーな声がコンプレックスなそこの女性Vさん、ひとついい話があるんだが、聞いてくれないか?」って呟いたら、結構拡散されて。具体的な内容としては、

白乃狼

ハスキーな声をコンプレックスに感じている女性VTuberさんがいる? ……ふーん。俺んち、来ない? いいよ、全員来いよ、おいでよ。

白乃狼

いや、女性Vとか男性Vとかどうでもいい! なんでもいいから、中性ボイスを俺にくれ!

……ってツイートしたら、プチバズっちゃった♪(笑)。そしたら「これ楽しそう!」「中性ボイス、マジで好きだからすげえ嬉しい!」みたいな声も聞こえてきて、めっちゃ嬉しかったね。「地声が低いのがコンプレックス? いやいや『それがいい!』って言う人もいるんだぞ!!」みたいな。

あのー……突然ですが、オタクの話しますね? 今から。

――はい! どうぞ!!

白乃
去年12月にやった第2回目「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」のときは、実は応募が少なくて、定員割れしちゃって。だから最終的には、俺の知り合いの中性ボイスVTuberに声をかけることで、なんとかできあがった企画なんだけど。

で、俺が推してるVTuberの1人にさっき名前を挙げた烏羽ややがいて、普段はめちゃくちゃかわいい声してるの。だけど、歌うときとかのかっこいい声が、マジで超絶かっこいいの! もう「かっこいい〜〜〜!!」「好き〜〜〜!!」みたいな(笑)。だけど、投稿されてないの、どこにも。歌声以外では、そんな感じのややの声はどこに行っても聞けないの。

それで、第2回の「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」を進めていた当時、動画を投稿する直前に辞退者が1人出てしまって。もう時間がない。俺が唯一頼れるのは、一番仲の良い、烏羽ややしかいない。そこで、ややに「頼む! 台本は書く! だから、出てくれ!」って言って出てもらった――という、そんな経緯があって。

だから、第2回はそうやっていろんな人にお願いしに行って、「喜んで!」って言って引き受けてくれた人たちがいたからこそ、成り立った企画だったなあと。そのおかげで第3回も開催できたので、第2回については本当に「参加してくれた人、全員ありがとう」って思ってる。

で、その結果、何が起こるか。普段はかわいい声を出してる人の、かっこいい声が聞けたわけなんですよ。マジ……もう……さあ……俺が本気で好きな声が、その……形に残る形で……いや、ちょっと日本語おかしいな……目に残る形で残ったんよ! ちなみにね、企画から1年くらい経つんだけど、いまだにその1本しかない。烏羽ややの、中性ボイスとして残っているのは。いや、マジで、ほんとに、「ここに! 需要があるんだから! みんなやってよぉ!」ってなるわけ!(笑)

一時期さ、「#可愛い声ですね地声ですか」ってハッシュタグが流行ったの、覚えてます? あれも俺、「地声ですか?」からの「んなわけねーだろバーカ」が好きすぎて、マジでいろんな人のを検索しまくってめっちゃ聞きまくる、みたいなことしてたからね。

https://twitter.com/hakuno_lan/status/1268357186834427905

――わかるー(小声)。

白乃
わかる、そうそうそうそう(笑)。
その……ね……低い声、好きなの。

――はい(共感)。

白乃
中性声、好きなの!

――はい!(共鳴)

白乃
この前、Twitterでも呟いたんだけど、「中性声のくせに中性声が好きって、つまりお前、自分の声が好きってことじゃん?」って言われるかもしれない。でも「そうだよ!! 好きだよ!!!」って断言できるくらい、俺は中性声が好きなの!

まあそれは置いといて、本当に中性声が好きだから、なんでもいいからお前ら全員来いよと。そういう声が出せるやつも、そういう声が好きなやつも、全員なんでもいいから来いと。――それで、「『プロポーズ』っていうクッソ甘いシチュエーションの中性声を聞いて、全員キュンキュンしようぜ……?(イケボ)」っていうのが、うちの企画。

――なるほど! すると、白乃さんのなかでも特にこの企画こそが、「俺がやりたいからやってる!」タイプの企画であると。

白乃
そう! そう! 俺が好きだからやってる! 実は「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」については一応、ベースにしてる企画が2つあって。両方とも俺は参加させてもらった企画なんだけど。

ひとつが、狼谷ロアくんの「好き」っていう声をリレーするボイス動画。この企画から「ボイスをリレーするっていう手があるんだ」っていうことを学んだ。

【白乃狼】参考動画1
https://www.youtube.com/watch?v=S22IO60EJqU

もうひとつが、「てぇてぇ王決定戦」を一緒にやってる夢雪叶華の「男性Vtuberプロデュース企画」。これは「人を集めて、ちゃんとしたシチュエーションボイスを作って、それをみんなで聞こう」みたいな企画になってる。

【白乃狼】参考動画2
https://www.youtube.com/watch?v=Ec5FQR0ME8o

その2つを混ぜ合わせてできたのが、この「中性ボイスVtuberプロポーズリレー」。もちろんただ組み合わせただけじゃなくて、そのなかに「中性ボイス」をぎゅって入れた感じ。

大型企画のやり方を人に聞いたときに、「何か新しいものを作るときは、既存のものを分割したり、逆につなぎ合わせたり、足したりして作る。完全に新規のものを作るのは本当に難しい」って話があって。あとは「今まであったものを、混ぜ混ぜこぜこぜして提供するのが、大型企画のテーマとかを作るのに結構大事だよ」とも言われたんだったかな。

だから、「俺が過去に経験した企画を混ぜこぜして、そこに『プロポーズ』と『中性ボイス』をバーン! ってぶち込みました!」っていうのが、俺の企画になるのかな。

「かわいい声が出せるんだったら、女性でも男性でも中性でもなんでもよくない?」

――プロポーズ×中性ボイスという、絶妙な掛け合わせも魅力ですよね。特に「中性ボイス」は個人的にも好きなのですが、残念ながらあまりスポットが当たらないジャンルという印象もあります。

白乃
そうそう、中性ボイス……というか、「中性VTuber」の企画が少ない! さっき言った「男性Vtuberプロデュース企画」にも俺は参加させてもらってるんだけど、俺は男性VTuberじゃないわけよ。だから最初「俺、 男性VTuberじゃないんだけど、参加していいの?」って聞いたのね。そしたら「中性VTuberもOKだよ!」って言われて、それで参加したんだけど。

その時に思った。「“男性VTuber”って題してる企画だから、中性VTuberが入るのはやっぱり違うのかな?」って。すると今度は逆に、「女性VTuber、集めてます!」みたいな企画もよく見るけど、「それ、中性VTuberは入っていいの? ……ダメじゃね?」ってなったりもする。……すごい悩む!! 実際、それで諦めた企画とかも結構あるしね。

――やっぱりそうですよね……。過去にこのサイトで取り上げさせてもらった夕影ミコトくんも中性VSingerなんですが、「企画やコラボやイベントで『男性』『女性』の括りがあると参加しづらい」とお話されていた記憶があります。やっぱりそのあたりは、中性VTuberにとってはネックになっている……というか、モヤモヤする問題なのでしょうか。

白乃
うん! ある! すっごいモヤモヤする! でも、中性VTuberって結構多いんだよね。女性と男性以外にも、中性、無生物、性別不詳のVTuberって、本当にこの界隈にいっぱいいて。

むしろVTuberだからこそ、性別って割とどうでもいいものになりつつある……というか、とっくのとうになっていると思っていて。だって、さっき言った日輪あさひも「男の娘」だから。「男」って言ってんのに声は「女」だもん。だけど、かっこいい低い声とかも出すじゃん? そんなん、頭バグるって!(笑)。

もうね、俺はね、「性別」っていう概念がもともとよくわかんないんだけど、VTuber世界に来てからさらによくわかんなくなった。……なんだろうね? 性別って。よくわかんないや!

――それこそVTuber世界の場合、「バ美肉」という概念が以前からありますものね。そんな多様な世界なのに、性別ありきの話になってしまうことがあるのは――もちろん自衛の問題などで仕方ない部分もあるとはいえ――たしかにちょっと、少しモヤモヤする場面もあるかもしれません。

白乃
そう。だから俺が企画をやるときは、「性別」っていう観点では募集をかけない。性別はなんでもいい。

自分の声を女性声だって思うなら、女性声として申請してもらう。男性声だって思うなら、男性声として申請してもらう。そういう申告制にしたし、中性ボイスに関してはもう性別とかどうでもいいから。「『自分は中性ボイスを出せます!』って思うんだったら、もう全員……おいで!」っていう。

性別にはこだわらないで、どういうボイスなのかを基準にする。「声質」を観点にした企画はまだまだ少ないはずだし、これから企画を立てるにあたっては、この「性別じゃなくて声質」という観点は考えてほしいな、ってすごく思う。

いいじゃん! 中性的な声を出せるんだったら、女性だろうと男性だろうと。「かわいい声が出せるんだったら、女性でも男性でも中性でもなんでもよくない?」とか、「かわいければなんでもよくない!?」とか、「かっこよければなんでもよくない!?」とか、すごく思っちゃうわけ。だから、俺はそれで企画やってるね。

これからのVTuber活動の2つの目標

――それでは最後に、これからのことについてうかがえればと思います。ここまでお話いただいたようにたくさんの企画を主催されている白乃さんですが、今後やってみたい企画などはありますか?

白乃
企画っていうほど大きいもんじゃないけれど、「シチュエーションボイスのコラボをやりたいな」ってのを考えていて。「あるシチュエーションの台本をちゃんと用意して、2〜3人でやり取りをする」みたいな感じのコラボをやりたいなと。

それこそ、最終的には6人くらい集めて、大型企画として60分くらいでやれたら楽しいんだけどね。以前、俺の体を作ってくれた月居ちよこママの家族で集まって、あみだくじでその人の性格を決めて、その性格に合った演技を、テーマに沿って、エチュードみたいな感じでやったことがあって。台本もなくてすごくシュールだったけどおもしろかったから、ああやって複数人で掛け合いをやるのは楽しそうだなって思った。

あとはシチュボじゃないけど……声優系の案件! 欲しいな!!

――最近は「声」の仕事をVTuberさんが担当している場面もたびたび見かけますし、企業の担当者様、ぜひともよろしくお願いいたします! 案件もそうかもしれませんが、ほかに今後のVTuber活動の目標はありますか?

白乃
俺の活動の目標って、中期的な目標と、長期的な目標の2つを基本的に立てるようにしてて。場合によっては超短期的なものも立てるんだけど……あ、ちなみにこれは傭兵隊で教えてもらった考え方なんだけど(笑)。

まずは中期的な、1年間の目標がひとつあって。さっきも「昔のことはよく覚えてないんだよねー」とかいろいろ話したけど、このあたりは最近ようやくちょっとずつみんなに話し始めたところ。そういう「昔話を通して、俺=白乃狼がどういう存在なのかを知ってもらいたい」っていうのが、今の中期的な目標になってるかな。

実際、2周年記念の8月17日に、自分のちょっと痛々しい感じの過去話の動画を投稿してみたりして。これからもみんなに着いてきてもらえるように、そういう動画で段階的に俺のことを知ってほしいな、って考えてる。

長期的な目標としては、俺自身が「成長する」こと。「お前はただでさえ常識を知らねえんだから、VTuberやってこい!」ってね、うちの副隊長にも言われてるから。長期的には、俺がどんどん成長していくこと。

あとは「VTuber」っていうこの業界を盛り上げること。活動のなかで、俺が好きなものとかをみんなに知ってもらえるようなインフルエンサーになれたらいいな、とも思うし。この目標は、活動を始めて間もない頃からずっと言ってる。

だからこそ、さっき言った「V-Dash(VtDash)」も始めたし。あれってまさに「新しい人を紹介することで、新しい人を知ってもらえる」ものだし、それによって「VTuber業界全体を盛り上げるってことができるんじゃないか」って思ったから始めた企画なので。……っていうのが今の俺の中期的な目標と長期的な目標で、今後の活動の目標はそれに尽きるかな。

――最後に、読者とファンに向けてメッセージをお願いいたします。

白乃
俺自身のことをこのインタビューで初めて知った人もいると思うし、もともと俺のことが好きでこれを読んでるって人もいると思うんだけれど。

まず、俺のことが好きで応援してくれている人は、いつもありがとう! これからもよろしく! 今言った中期的な目標と長期的な目標を叶えるためにも、着いてきてくれよな!

そして、この記事で俺のことを知ってくれた方! この記事を読んだ理由としては多分、「企画ってどうやってるのかな」とか「中性的なVTuberが好き」とか、いろんな目的があって読んでくれてると思うんだけれど。

今回お話した内容が、あなたにとって少しでも参考になればいいなと思うし、同時にもし「中性的なVTuberが好き」っていう理由で読んでくれているんだったら、とにかくまずはYouTubeの自己紹介動画を聞いてみてください。そしたら、俺は最高に中性的で、カッコよくて、かわいくて、最高で、お前らのこともメロメロにしちゃうから! 絶対、聞きに来てくれよな!

それともし企画の話で、俺に「こういうのちょっと相談したいです」とか「こういうの一緒にやりたいです」とかあったら、誘ってくれれば嬉しいです。MC系ならやれると思います。忙しいタイミングだと返信できない可能性もありますが、よろしくお願いしまーす!

――ありがとうございました!

お話してくれた人
【アイコン】白乃狼
白乃狼

2019年8月デビュー。
傭兵見習いVTuber。

もふもふの耳と尻尾、そして鋭い牙を持った人狼。落ち着きのある中性的な声が魅力。企画力とトークに定評があり、自ら主催する大型企画でもMCを務めている。

【インタビュー】白乃狼

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