自分の「好き」や「おすすめ」を持ち寄って、自由に話す交流会。
好きなアニメや、最近ハマっている漫画。
思い出の音楽や、お気に入りの食べ物。
配信で話題にしたり、Twitterで呟いたりすることはあっても、がっつり話す機会は意外と少ない、「好きなもの」についての話。そんな「好き」を持ち寄って、たっぷり時間をかけてお互いに紹介する交流会です。
全編VRChatで撮影!?VRCムービーアワードと「ホテル・カデシュ」
今日、僕がご紹介させていただくのはですね、VRChatの「VRCムービーアワード」です。VRChat上だけで撮られた映画や短編集がいろいろ公開されてるんですよ。
そんなのあるんだー。
そのなかの長編枠に入る33分くらいの映像作品なんですけど。洋画系のロールプレイを主にやっている「ホテル・カデシュ」っていうすばらしいグループさんがVRChat上にいらっしゃいまして。もう長年にわたって映像を撮ってるんですが、その最新作を今回はおすすめしたいなあと。
それがこの『掌』という作品ですね。2分くらいのプロモーションビデオがございますので、流していただきましょうか。ちょっとテーマが重い任侠ものなので、人によりけりなんですけど……おもしろいので、ぜひ。
これ、知ってるやつだ……!
ヤクザもの?
そうですね。「ホテル・カデシュ」そのものが殺し屋をテーマとした舞台になっていて、マフィアとヤクザが主なキャラクターとして出てきます。
あ、すごい! 映画っぽい!
すごいよね!? これ!
すごっ!
VRChatなんだ!?
思っていた以上にちゃんと映像になっている。
フルトラなんだこれ!?
これ、人を集めるのが大変じゃないのか……?
ほんと、エキストラまできっちり集めて撮っているので。
ってかこのVRChatのアワード、本当にすごいよね……!?
うん! すごいこれ〜!
濡れてる表現がすごい!
すげえ……! ちゃんと映画してるな!?
(流れ出した挿入歌を聞いて)
ウワアアアアア!! 予告編だァ!?
ちゃんと映画っぽい!!
このね、挿入歌も作ってあるんですよ! めちゃめちゃ良い曲なので!
すごい! おもしろそう!
ここまで作れるんや……!
気になる〜〜〜!!
これはどこで見られるんですか!? 本編は!
YouTubeで全編公開されています。
な、なんだってー!?
無料だってー!?
無料で!?
無料だとぉ!?
マジすごいこのクオリティ!
いや、マジすごいマジすごい。
これがね、自主制作でみなさん作っていらっしゃるということで。
お金取れるよぉ……!
これこそ、バーチャルシネマで上映したほうがええんやなかろうか……? 映画館で観たいな!
作り込まれた世界観、会えるキャラクター、訪れることができる舞台
「実際にこのキャラクターを作ったの!?」という声も上がってましたが、ホテル・カデシュ自体、マフィアとヤクザの方々がメインとなっているロールプレイイベントで、それぞれキャラクターの方々が存在するんですよ。幹部会の第一席から第十席とか、トップのドンの方々がいらっしゃいまして。
PVにも出ていた美登利組(みどりぐみ)の司一(つかさはじめ)さんという方が今回の映像の主人公なんですけど、この方もそのロールプレイイベントに登場する、ホテル・カデシュのキャラクターの1人なんですよ。
各キャラクターのバックストーリーをこういう映像作品として作成して、それぞれのエピソードを断片的に観ることができる――っていう構造になっています。
あ、そういうことか!
ホームページにキャラクター紹介とかも載っててびっくりした。
そうなんですよ。キャラクター紹介とか、世界観の説明とか、いろいろまとまっているので。
本物すぎる……!
アツいな! なるほどねー! VRCってアバターありきみたいなところがあるけど、そこに「存在」を生んじゃってるんだ。
そういう感じになりますね。なりきっている――と言いますか、本当にいろいろな方々が携わってこの企画が成り立っています。
今は本編から派生して、ファン作品や外伝などの映像化もいろいろな方がするなど、広がりのある世界観になっていて。
全部見ようとすると、結構なボリュームになってしまうんですけど……ぜひね、この「ホテル・カデシュ」の世界観を深掘りして、楽しんでいただけたらと思っていますね。作り込みが本当にすごいので。
そんなに作ってるんやなー、すごいなー。
これ、ホームページに書いてある「ワールド」にも行けるんですかね?
こちらも……
実際にありますよ……(小声)
なぁんてこった!!
小声になっちゃったよww
ほんとだすごーい!
そうなんですよね! 自分は逆にこの海洋研究所のワールドのほうに最初に行って、その入り口で映像が観られるようになっていたので、「これ、洋画やん!?」って驚いた記憶があります。
これらのワールドって、実際に作品の「舞台」に入れる……ってことですよね?
まさにそのとおりです。舞台となったワールドが存在していて、実際に訪れることもできます。
すごっ! 聖地巡礼できる、ってことやな!?
できちゃいますね……! しかもロールプレイイベントもあるので、僕たちもあの世界の1人のキャラクターとして、実際にみなさんに会いに行くことができるんですよ。
このホテル・カデシュにお呼ばれして、その現地にいる1人としてアクションできます。
映画村やん!?
映画村だ!?
次、イベントがいつあるかはわからないんですけど、たまに動きがあるので、Twitterなどでチェックしていただければ、リアルタイムで遊びに行くこともできると思います。
怖いって〜! VRChat〜!
なんかすご〜!
すごい世界だ本当に。
ものづくりにはお金が必要……だけど?
知り合いにもどっぷりVRChatで活動してる人いるけど、「これ、絶対金取れるって!」ってやつを無料でやってるからな、みんな。
ヤバいですよね本当に。
ロールプレイをしながらお客さんの相手をしていて、しかもめちゃくちゃ細部までこだわっていて、「これってどれくらいお金かかってるんですか?」って聞いたら、「いや、全員、趣味でやってる」みたいな。
有志でやってる、みたいな感じですよね。
だからそう考えると、「めちゃくちゃ資金繰りしまくってる僕たちVTuberっていったい何なんだ……?」って(笑)。
あっ……はわわ……!
たしかにww
でも一応、BOOTHとかでね、サウンドトラックや設定資料集などを販売して、そのあたりで還元をお願いします、っていう流れもありますし。
これだけ作り込まれてたら、逆に「(お金)出しますよ!」みたいな感じだよねw
ってなりますよね。そこで応援できればいいので。
ファンは喜んで買いますよ〜!
VRChatのイベントではキャストの一人ひとりに焦点が当てられているから、ファンがめちゃくちゃできやすくて、それも濃いファンがめっちゃついてるらしくて。欲しいものリストがからっぽになるくらい、(ファンがプレゼントを)贈ってくれたりするらしい。
そうなんですか……! へえ〜!
「RTX3080のグラボを入れておいたら、いつのまにかなくなってた」とか。
すご!?
やば!
なんか急に届いたみたい。「これで制作がんばってください!」みたいな感じで言われるし。
「もっと良いもの作ってください!」っていうアレですよね!
「良い作品を作ってくれるなら安いものですよ……!」みたいな気持ちはあると思います。
そういう話を聞くと、ものづくりにはもちろんお金が必要かもしれないけれど、究極「お金じゃないんだな」ってやっぱり思う。
熱量がすごい。
やっぱり、熱量から作られる。
お金のことを考える前に動いちゃってるんだよね。きっと。
マジで思うけど、お金って「枷」だよなって。それがないと実現できないこともあるけれども、僕は究極「ないほうがいいな」とも思ってるから。
だからそういう意味では、採算度外視で作るほうが強いと思ってるし……いやあ、見習いたいっすね。
そうですね。この熱量は見習っていきたい部分がありますね。
露伴先生も言ってたもんね……(ボソッ
言ってたもんね!
伏線回収出たな……!
本当にいろんな作品があるので、ぜひね、調べていただいて。
VRCムービーアワードは他の作品もいいぞ
私もこのVRCムービーアワードを見てたんだけど、『IRREGULAR’S』もかなり映画映画してて、「あー! すげー!」って思った作品のひとつで。
ほかにも「えー!? なんじゃこれー!?」っていう映像がたくさんあるから、マジでこれは漁ったほうがいい。
あとで見よう。
マジやばい! ほんとに映画!!
こういうの見るとね、撮りたくなっちゃうよね……!
本当にそう! 私が何がに対して「わ〜!?」って思ったのかって言うと――すみません、私の話になっちゃうんだけど(笑)。
あの、ピクサーやフル3Dの映画はすでにあるけど、VRChatってそのキャラクターの一人ひとりに「人間」が入ってるじゃないですか! 「この一人ひとりの中に『人間』がいる」っていうのが、なんかもう次元が違うというか……。
そう!
だって、そこに「命」があるんすよ!
コンピューターで作られた動きじゃなくて、人が動いてやっている――今ちょうど公開中の『アバター』とかもね、それに近いのかもしれないけど――それを個人制作レベルで、しかも「VRChat」っていう映画制作ソフト“じゃない”ものでやっている。
本当に「バーチャルで生きている」というか、「バーチャル」の世界観を物語っているように感じられて……もう……みんな……バーチャルで生活してくれ〜〜〜!!
うんうんうんうん! バーチャルに生きよー!
なんかもう……「生きてくれー!」というか、
「もっと見゛せ゛て゛〜!」って(笑)
あふれちゃってるあふれちゃってるww
っていう魅力が詰まってるよね……! 本当ね!
ちょっとこれ、海洋研究所も改めて行きたいな。
ってかそう、映画を見て、そのすぐあとに聖地巡礼の旅なんて行ったら、みんな脳みそ溶けちゃうんじゃない?
これ、アレっすよね? ワールド単体でも楽しめますよね?
もちろんワールド単体でも楽しめる仕様になってるので、綺麗な空間を楽しんでいただければ! バックグラウンドを知っていれば、その分さらに楽しめはしますけど。
いやー、まだまだぜんぜん知らない世界だわー。本当に(HMDを)買ったばかりで、「どこから手をつけようかな?」って思ってたけど、こういうところから見ていくっていう手もあるんだね。
そこからじわじわ、楽しんでいただければ。
知らないうちに、狂ってるよきっと。
狂気にあてられて……。
「あれっ!? ……フルトラになってる!?」
「いつの間に!?」
「あいつ……動くぞッ……! 膝も……腰もッ……!」
「肘も!? 肘も動くぞ!?」
「なんだって!?」
「顔の表情まで!?」
「指も1本1本……自由に動いている!」
(機材の値段が)高い高いw 20万円超えるww
ディープなユーザーが集まる、わけわからん世界
映画を作るうえでは、なんかもう「全身が動く」のが当たり前の世界になってるからビビる。
ライトユーザーだけが集まって作ってるんじゃなくて、「ディープユーザーが集まって作ってる」っていうところがね、ひとつ感銘を受けるポイント……。
ヤバいよな……! どうやって見つけてきたのその人脈……!
いや、でもやっぱり、狂人は狂人に惹かれてしまうからしょうがないんじゃないか……?
ガチのVRChatterは秋HUB(※)にも集まってるらしくて、それで情報共有してるっぽい。
へー、そうなんだ!
秋HUB:イギリス風パブチェーン「HUB」の秋葉原店のこと。以前からオフ会などで利用されていたが、最近はVRChatユーザーの「聖地」としても訪れる人が増えている様子。仲間内でのオフ会のほか、VRニュースサイト・PANORAさんが主催する「メタのみ」なども話題(関連記事)。
なんだかんだでリアルのつながりはあるんかな、って感じだった。
そうだね。この映像制作にも、もともと映像系の学校に行っていた方が関わっていらっしゃって、そのつながりからこういうグループが派生しているらしい――っていうお話も聞いてるから。
でもその一方では、初心者の方とかもVRChatに入って自分で映像を撮ろう――っていうことで、今回は62本くらいエントリー作品があって。
ろくじゅうにほん……!
結構ある!
あるね〜! そんなあるんだっけ!
そう、ショートも含め本当に大勢の方が応募してるから、ぜひね、気になる方がいたらチェックしてみてはいかがでしょうか。
あ、ヤバいな! 知らん世界だなー! すごいな!
「まだ入り口の入り口しか見てなかったんだなー! VRChat!」って思ったわ。
VRChat、わけわからんからなー。
ほんとにわけわからん!
でもその「わけがわからん」っていう状態でも、別に100%理解していなくても、ぜんぜん楽しめるからね。
だって、リアルの世界だって100%はわかんないし、「そういうもんじゃん?」って思う。「こういう世界もあるよ」って知れるのはありがたいよねー。
なんか良い話聞けたなー!