普段は聞けないメタな話題も含めて、VTuberの「先輩」にあれこれ聞いてみるインタビュー企画。
「活動を始めたきっかけは?」
「どうやって“受肉”したの?」
「いわゆる“設定”はどう決めた?」
「VTuberとしての心構えを教えて!」
VTuber活動に興味がある人や、今まさにデビュー準備中の人が読めば、何か得られるものがあるかも……?
今回お話をうかがったのは、2021年4月にデビューしたおむらいす食堂(@omurice_shokudo)のおむさん。
以前から「おむらいす食堂」の名前で創作活動をしていたデジタルクリエイターであり、VTuberとしてデビューしてからは主に「食」にまつわる動画をYouTubeに投稿。2022年9月に3D化してからはVRの世界にも飛び込み、ますます活動の幅を広げつつある爆食系VTuberです。
そんなおむさんですが、実はもともとVTuberのことはほとんど知らず、活動を始めてからも3D化するつもりはなかったのだとか。それが今やすっかりVTuberの沼にハマり、VR生活も絶賛エンジョイ中。さらにはクリエイターとしての活躍の場も広がりつつあるそうです。
インタビューのなかでは、「間違いなくVTuberになったことが大きな転機になった」とも断言してくれたおむさん。1人のクリエイターがバーチャルの沼にハマり、夢中になって駆け抜けてきた約1年半の足跡をたどりつつ、この世界の魅力と可能性についてたっぷりとうかがいました。
インタビュー・撮影・執筆 / けいろー(@K16writer)
一部写真提供 / おむ(@omurice_shokudo)
ノリと勢いで爆誕した、爆食系VTuber
――まずは自己紹介をお願いします。
おむ:
爆食系VTuberとして活動しています、おむらいす食堂のおむです! 「食」にまつわる動画をメインに活動しています!
――初投稿が「ミスドのドーナツを食べながら自己紹介をする」という、なかなかにインパクトのある内容ですよね。
おむ:
あー! もうそれについてはねー! 本当にお恥ずかしい(笑)。というのも私、「VTuberになることを目指してVTuberになったわけじゃない」というか、友達から「VTuberやってみれば〜?」って言われて軽いノリでなっちゃったので、「自己紹介」とか「初投稿」っていう文化を知らなかったんですよ。
なので改めて見返してみると、「かなりアウトローな自己紹介をあげてしまったな」と思って。もう恥ずかしくて見返せないんですよね(笑)。
――個性的で良いと思います! VTuberを始めたきっかけについて、もう少し詳しくうかがってもよろしいでしょうか。
おむ:
コロナが流行り始めてから、夜に友達と通話する機会が増えたんですね。そこで他愛もない会話をしていたときに……あの、私は暴飲暴食をしがちな人間なので、いつもの話の流れで、
今日はミスドのドーナツを6個食べちゃった……本当は何日かに分けて食べるつもりだったのに! 1個食べると全部食べちゃうんだよねー
みたいな話をしたわけですよ。そしたら、予想以上にどっかんどっかん笑ってもらえちゃって。「おもろいから、YouTubeとかでそういう話をしてくれない?」「VTuberとかやってみればー?」って。友達はノリで言ったらしいんですけど、それを私が「じゃあやるわー!」って真に受けちゃったので。それで今に至る感じですね。
――ノリと勢い、大切だと思います。ちなみに、VTuberではなくYouTuberをやる選択肢はなかったんですか?
おむ:
ないですねー! 顔出しはあまりしたくなかったですし、もともと二次元の文化がすごく好きだったので。でも一方で、YouTuber自体は好きで見てたんですよ。なので「YouTuber的なことをやりたいな」っていう気持ちは以前からちょっとあったんですけど、「やるんだったら絶対にVTuberだな」と思っていました。
かつての創作キャラクターをVTuberに!
――VTuberとして活動を始めるにあたって、準備はどのように進めていったのでしょうか。まずはビジュアルから……?
おむ:
そうですね。ただ、そもそも「おむらいす食堂」を名乗ったのは、実はVTuberとしての活動が初めてではないんです。
私は学生時代からコミティアなどのオリジナル創作イベントに出ていたのですが、そこで使っていたのがこの「おむらいす食堂」という名前でした。そちらの活動は長いことやっていましたし、これからも続けていきたいなと思っていたので、「じゃあVTuberも『おむらいす食堂』として作っちゃおう!」と。そこからキャラクターを生み出していった感じですね。
――先ほど、おむさんのサイトを少し拝見したのですが、2014年にはすでに似たビジュアルのキャラクターがいらっしゃいますよね?
おむ:
めっちゃ見てくれてるじゃないですか!!(笑)
そうなんですよ。2014年くらいにおむらいす食堂の活動を始めて、その時から「オムライス」が自分の中のメインキャラクターでした。食べ物の擬人化キャラクターを創作イベントで出す活動を長らくやっていて、「ペンネームが『おむ』だったから、軽率に『おむらいす食堂』という名前をつけた」という経緯があります。
ただ、その活動は就職のタイミングで途絶えちゃって。「やりたいなあ……やりたいなあ……」と思いつつ燻っていたところに、友達からの天啓――というか「VTuberやれば?」の一声があって、今に繋がっている感じですね。
――馴染みのある自分のキャラクターでVTuberになろう、と考えたわけですね。「おむらいす食堂」のキャラクターをバーチャル化した、というイメージでしょうか?
おむ:
もとからこの見た目ではなかったんですけど、オムライスのキャラクターはいたので、それをVTuber用に描き下ろして……みたいな。
コミティアなどのイベントって、参加するにはサークル名が必要じゃないですか。「サークル名、どうしようかなー」って考えて生まれたのが、おむらいす食堂です。サークルとしてはオムライスのキャラクターがいますが、イベントごとに「パン屋さん」とか「タマゴ」といった食材をテーマにした作品を発表していたので、おむらいす食堂にはほかにもいっぱいキャラクターがいます。
――VTuberとしてのビジュアルを改めて描き下ろすにあたって、何かこだわりや意識したポイントはありますか?
おむ:
いくつかあるんですけど、一番は「めっちゃ描くのが簡単なこと」かな。もともとイベントに出ていた経験もあったので、「グッズ化するときになるべく作画コストがかからないデザインしよう」と。
あとは、曲がりなりにも自分のガワになるので「肌の露出は控えよう」とか、あるいは「自分っぽい要素も取り入れようかな」みたいなところはちょっと意識しました。実際の自分もショートヘアなので、ロングヘアはやめておこうと考えたり。そういう部分も意識してデザインしましたね。
当初は「レトロかわいい」というか、「カフェとかが好きそうな、襟の付いてるシャツを着ている女子」みたいなものも頭の中にはあったんですけど……その要素はどこにも生かされませんでした!(笑)
――「盛り込みたい要素をどこまでデザインに反映させるか問題」みたいなのもありますよね。
おむ:
そうですね。まあでも、この「らいす」の帽子とかは結構気に入ってますね。動物好きなので動物っぽい要素も付けたかったんですけど、あくまでも「人間」でいたかったので、帽子にとどまりました。
……あ、ちなみに「らいすは何者なのか」と疑問に思っている方もいるかもしれませんが、らいすは「オムライスの妖精」です! はい!!(迫真)
――完全に同じではないとはいえ、長年描いていたキャラクターを使って「VTuber」として受肉するの、すごく素敵だと思います。初投稿動画で「Live2Dをいじっていたことがある」とお話されていましたが、動かすための作業はスムーズに進んだのでしょうか。
おむ:
まあ「いじっていた」と言っても、学生時代に授業でLive2Dを使った作品を提出したことがあるだけなので、感覚としては「さわったことがあった」くらいなんですよね。仕事などで使っていたわけではないので、最初は思い出すところから始めました。でも1回やってただけあってすぐに感覚は取り戻せたので、そんなに苦労はしなかったですね。
「VTuberやれば?」って言われて、1、2週間くらいで準備して、最初の動画を投稿しました。「それくらい見切り発車だったんだぞ」ということを、このインタビューではお伝えしたいですね(笑)。
――それにしては、見切り発車のクオリティではないのでは……? 初投稿の時点で見やすいしおもしろいしテンポが良い! たしか、動画制作も以前からされていたんですよね?
おむ:
そうなんです! MVとかを作るのが好きで、PremiereとかEffectとかをさわっていました。「動画を作る活動もやりたいな」とは思ってたんですよね。
――VTuberとして活動するために必要なスキルを一通り持っていたことになるわけですね。ほかに何か、デビュー前の準備期間にやったことはありますか?
おむ:
とにかく、自分がどういう動画を投稿していくかを考えたりとか、キャラクターの見た目をどうしたりとか……。絶対にないと困る部分だけしか考えてなかったというか(笑)。
宣伝期間も設けていなかったので、「本当に必要最低限のことだけ準備して、最初の投稿をしたあとに2本目の動画の編集をする」という流れで、ストックもなく始めた感じです。「動画を作ろう!」と一度決めたら出さないと気が済まない性格だから、投稿を続けるのは割と向いてたのかなと思います。
――「食」という、おむさん自身が好きなことをテーマとして活動を始められた点も大きそうですよね。
おむ:
最初にテーマを決めたときに、「爆食系にすれば、どれだけ何かを食べても『動画のためだから』って言い訳できるな」と。デビュー前はそんなことを考えていました(笑)。
もっと準備期間を有効活用すればよかった……!
――逆に、「今になって考えてみると、これは準備期間にやっておけばよかった」と感じることは何かありますか?
おむ:
「きちんとSNSでの告知期間を設けておくべきだったな」と思います。デビュー当時のことを考えると、とにかくあり得ないくらい準備をせずに動画を投稿してしまったので。
もうちょっと「新人VTuber」である期間を長く感じたかった、というか。「#VTuber準備中」のタグの存在すら知らなかったので、もっとVTuber界隈を偵察しておけばよかったなと思いました。「Twitter、あっためておけばよかったかな」と(笑)。
動画についても、「事前に『VTuber』というものを知っていれば、もっといい動画になったんじゃないかな」と思いますね。自分の場合、VTuberとして活動を初めてからほかの人の配信とかを見るようになったりしたので。喋り方とかもぜんぜん知らなかったし、マイクに向かって話すこと自体も慣れてなかったから、振り返ってみると違和感があるんですよ。
もちろん、逆に「知りすぎちゃっていて、企画がありきたりなものになってしまう」ようなこともあると思うので、一概には言えないんですけど。でも「VTuber」という存在を知っておいて、絶対に損はないはず。特に今はVTuberが溢れているから、生かせる部分もたくさんあります。ただ、みんなと同じことをやっていると似たりよったりになってしまうので、凝り固まらない程度に見るのがいいんじゃないかなー。
――すると、デビュー前はVTuberの動画もほとんど見たことがなかった感じでしょうか?
おむ:
キズナアイさんや輝夜月ちゃんはCMやテレビに出ていたので知ってたんですけど、にじさんじとかはぜんぜん知らなくて。自分が活動を始めて、1、2ヶ月くらいしてからやっと見始めたくらいなんですよね。……今ではもうド沼にハマってますけど(笑)。でもVTuberにハマった歴としては、まだ1年ちょっとくらい。
――ライブ配信など、マイクに向かって喋るタイプの活動もそれまで経験はなかったのでしょうか。
おむ:
ないですね。だから最初は、配信に関してはやるつもりがなくって。自分はもう完全に動画一筋で活動していこうと考えていたのですが、後々になってVTuberのことを知って、「やっぱり配信って必要みたいだな」と。それで配信をやるようになりました。
――VTuberのことを知るなかで、自分も試行錯誤をするようになっていったと。
おむ:
そうですそうです。知って、「あ、これ必要なんだ、じゃあやろーっと」みたいな感じなので。何も準備をしていなかったことが、もうよくおわかりになったかと思います(笑)。
動画編集にかける時間は12〜15時間!
――動画を作るときに、気をつけていることや意識しているポイントはありますか? おそらく細かい部分まで含めればたくさんあるかと思いますが……!
おむ:
実際に動画を作っていて特に強く感じたのが、「効果音とテロップはめっちゃ大事」ってことですね。一番時間がかかる部分なんですけど、効果音とテロップはもう嫌になるほど入れています。
あとはYouTubeのトレンドとして、長い動画が流行ってる時期、短い動画が流行ってる時期があると思うんですけど、そういうのを見て「今回の動画は10分以内に収めるかー」とか意識している部分はあります。……ただ、これは肌感でしかないですけど(笑)。
――「効果音とテロップをどの程度まで付けるか」は悩んでいる人も多そうな印象があります。
おむ:
いやー、めっちゃ悩みますね。悩むからこそ、10時間以上かかっちゃうんですよね。「なんでもかんでも付ければいい」というわけではないのはわかるんですけど。多分、私の動画は結構たくさん付けているほうだと思います。動画って意外と「音で聞いている」部分も大きいように感じていて。それで私は効果音を多めに入れちゃってますね。
――おむさんの動画の「ゴゴゴゴゴ」の効果音が個人的に好きで、いつも見ながら笑っちゃってます(笑)。
おむ:
え! うれし〜〜〜!!(笑)
あれを入れるとおもろいんすよね(笑)。個人的に自分が笑っているだけだと思うんですけど。あの「ゴゴゴゴゴ」と「ボカーン!」っていう爆発音は、ただただ自分のツボだから多めに入れてます(笑)。
――動画の編集にはどのくらいの時間をかけていらっしゃいますか?
おむ:
結構かけちゃってるほうだなーって。もっと短くするべきだなと思ってますね。動画1本あたりの編集にかける時間は、最初は8〜10時間だったのが、最近は12〜15時間くらいかかっちゃってて。
多分、私がこだわりすぎているところもあるとは思います。毎回ちょっとずついろんな部分を変えたくなるというか、効果音のタイミングとか、数を増やしたりとかしていると……どうしても編集時間が伸びちゃうんですよね。
――そっか、「いくらでもこだわることができる」のは動画勢のメリットでもありますが、「こだわり」には際限がないから……。
おむ:
多分、そこまで求められているわけではないのに、私が無駄にこだわってる部分が絶対にあるんですよね……。まあでも、ちょうど3D化もしたとことですし、3Dで今後は新しい編集も編み出していきたいなと思っています。
VR世界に飛び込んだのは、「自分もそこに行きたい」と思ったから
――もともと「3Dの姿で活動してみたい」という気持ちはあったんですか?
おむ:
それが、マジでなくて。それこそ「Live2Dで十分だろう」と去年は思ってました。でも、ぽんぽこさんや3DVTuberさんの動画を見ていて、「やっぱり3Dになりたいな」っていう意欲がどんどん高まってきて。ターニングポイントが今年の「ぽんぽこ24」だったんですよ。
3月にぽんぽこさんとコラボさせていただき、そこで3Dの話をちょっと聞いて、5月にぽんぽこ24があって。ぽんぽこ24は、共演者のみなさんも含めて完全に3Dでやってたじゃないですか。その映像を見ながら、「表面で見ているかぎりでは2Dだけど、その場にいる人にとっては3Dで見えている」「同じ空間にいるのと変わらない」っていう話を聞いて、自分もそこに行きたいと思っちゃったんですよね。
――わかる〜〜〜!!
おむ:
なので「VTuberとして3Dになりたい」というよりは、単純に「VRの世界に行きたい」という気持ちが大きかった感じです。
ただ、もしもVRを始めるのであれば、やっぱりこの自分のVTuberの姿で行きたかったので、なかなか手が出せなかったんですよ。それが運良く、リスナーの方にモデルをご提供いただいたことで実現できたので、本当にミラクルだなって思いましたね。
――ということは、3Dモデルは依頼をして作ってもらった、というわけではなく……?
おむ:
不思議なんですけど、私がTwitterで「いいなー、3Dになりたいなー」って呟いたら、リプライで「今、作ってます」って。
――!?
おむ:
モデルを制作しているというリプライをいただいてから、1ヶ月くらい経った頃ですかね――モデルのデータをいただいて。そんなに早くもらえるとは思っていなかったので、急いでVRヘッドセットを買って、1ヶ月くらいで準備して――みたいな感じでした。
――ぽんぽこ24が5月で、おむさんの3Dお披露目が9月……と考えると、本当に爆速ですよね。
おむ:
あ、でもモデルの話が出たのは、たしか8月くらいでした。
――え゛
おむ:
ぽんぽこ24からは3ヶ月くらい期間が空いてるんですよ。だから、私が一番びっくりしてますね。こればっかりは本当に、モデルの制作者さんに大感謝です。
――実際にVRゴーグルをかぶって、いただいた3Dモデルの姿になって、自分を見てみたときは……どんなお気持ちでしたか?
おむ:
いやー、もう、それは! それは! もう! 私の語彙力では到底表せない感動ですよね!!(笑)
まず、VRゴーグル自体がとにかく珍しいものだったので。目の前に3Dの空間が広がっているのもすばらしいし、そこに立体の自分――自分のキャラというか――“自分”が立ってる。景色を見渡せる。動ける! すべての体験が、まるで赤ん坊のような感動ですよね。本当にVRってすばらしい、マジでみんなにやってほしいなって、強く思いました。
――最近もそんなツイートをされていましたよね。ちなみに、VRはどちらの機器を購入されたのでしょうか。
おむ:
VALVE INDEXを買いました!
――うぉおぉぉおわぁ……! ガチだぁ……!
おむ:
あはははは!(笑) VRについて詳しい方に言うと、みんなが「わぁ……!」ってなるのがめっちゃおもしろくて(笑)。ごめんなさい! 今もめっちゃおもしろかったww
あ、でもたしかにお値段は高かったんですけど、ほかのQuest 2とかがちょうど値上がりしたタイミングで売ってなかったんですよね。在庫がないんだけど、もう3Dのモデルももらったし、お披露目告知もこの日にするって決めちゃってたから、早々にヘッドセットが必要だったんですよ。
「どうせだったら指も動かしたいし、そうそう買い替えるものじゃないから、もういいだろう!」と思って(笑)。はい、ちょっと散財してしまいましたね……。
「インターネットの中にもう1人の自分のような存在がいる」
――先ほどのVTuberデビューまでの流れもそうでしたが、3DモデルとVRの件にしても、とにかくテンポ感と決断が早くて、すごい勢いで進んでいらっしゃいますね……!
おむ:
いやー、「テンポ感が良い」と言っていただければ良いんですけど、「すべてに計画性がない」とも言えるんですよね(笑)。いろいろ計画して進めることが、逆に私にはできなくて。
余裕があるときは新しいネタを考えたり動画を作ったりできても、時期を逃すと、もうそのネタの熱さが冷めてしまう……というか。途端にやる気をなくしてしまうので、いつも見切り発車じゃないと動画が生まれないんですね。だから多分、もうこのまんまなんだろうなと思ってます。
――でも見方を変えると、「その瞬間に自分が一番アツいと感じていることに全力投球している」とも言えそうですよね。
おむ:
あー、たしかに! ぜひそう書いてください!(笑)
でもたしかに「どうせだったら、その時にやりたいことをやりたい」っていうのが、気持ちとしては大きいですね。「お金を稼ぐためにやろう」ということも今のところはなくて、「大好きな趣味を楽しんでいる」状態なので。本当にただただやりたいことをやっている感じです。
――すると、VTuberとしてやりたいことも「楽しむこと」が一番ですか?
おむ:
そうですね。今はそれが最優先です。正直に言うと、もともと映像制作が好きだったので、「イラストや映像の技術を知ってもらえるきっかけになったらいいな」とか、その先でお仕事などに繋がったらいいなとは思っています。ただ、今のところはそれがメインっていうよりかは、とにかく「VTuberである今を楽しみたいな」と思いますね(笑)。
――めちゃくちゃ素敵だと思います……! では、VTuber活動を楽しみながら続けていくなかで、実現したい夢や目標はありますか?
おむ:
コラボカフェですね! VTuberのコラボカフェって珍しくはないんですけど、どうしてもやりたくって。というのも、やっぱり自分は「食」をテーマにした作品を――それこそ「おむらいす食堂」として創作イベントに出ていた頃から――ずっと作ってきていて、何か食べ物にまつわるイベントで自分の作品を出したいと思っていたので。
動画内でいろんなものを食べたりとかしてると、とにかくおいしいし、そういう「おいしさ」を実際に提供できるのがコラボカフェだと思うんですよ。なので、「おむらいす食堂の世界観だけでなく『味』でも楽しんでもらえるコラボカフェ」が今後の一番の夢です。
コラボメニューの開発とかもやってみたいし、自分の動画に出てきた食べ物を実際に食べてもらえたらいいなと思ってます。あとはお菓子のパッケージとかもね! やっていきたいな!
――最後に、これからVTuberデビューを考えている人に向けて、メッセージをお願いいたします!
おむ:
正直、やりたい人は全員、VTuberをやればいいと思ってます! 動画を出すのって結構楽しいし、日常生活では絶対にやらないだろうことにも挑戦できるんですよ。なので、少しでもVTuberをやりたいと思っている人はぜひやってみてください。
特に私の場合、もう何年も前から「おむらいす食堂」として創作活動をしていたものの、鳴かず飛ばずなところも正直ありました。でもVTuberになってからは、自分の得意分野であるイラストも編集技術も生かすことができていて、その活動も広がりを見せつつあります。間違いなくVTuberになったことが大きな転機になったし、今後は過去の創作活動もそこにのせて、もっと広がっていけたらいいなと思います。
あと、今は「VTuber」って言われていますが、1人1つのアバターを持つのは今後珍しくなくなるんじゃないかな、とも思っていて。いわゆる「メタバース」じゃないけど、「もうひとつの仮想空間で生きる」のって、私の中ではすごく理想の世界なんですよ。
だから私自身、おむらいす食堂の自分とリアルの自分は切り離して考えていないし、「インターネットの中にもう1人の自分のような存在がいる」ことをすごくおもしろいと感じています。なのでそういう意味でも、VTuberや自分のキャラクターを多くの人が持つようになったらいいなと思います。
だから「みんな! VTuber! やれよ!」ってことですね(笑)
――ありがとうございました!
「食」をテーマに活動している爆食系VTuber。
YouTubeでは食レポや料理の動画を中心に投稿しており、どれも10分程度でサクッと楽しめる。2022年9月に3D化してからはVR関係の動画も作成し投稿するようになった。
たまに登場する「らいす」はオムライスの妖精……らしい。