2024年春に開催された、あらゆる“バーチャル”な動画作品の投稿祭「あつまればーちゃる祭」。
ニコニコ公式番組「あつまれ!ばーちゃる!」がVTuber応援企画として開催した投稿祭であり、期間中に応募があった動画は約380本。その後、11月の放送で受賞作品が発表され、6人の特別審査員による選考を含む計10本の動画が番組内で紹介されました。
その受賞者の中から、本記事では「すこり手賞」を受賞したVTuber・サブ太郎さんにメールインタビューを実施。
諸事情で番組内では流せなかった受賞動画「昔のエ○本がツッコミどころ満載だったので見てくれ」に関する話はもちろんのこと、VTuber活動にかける想いやニコニコ動画の魅力についても質問し、文面でたっぷりと回答していただきました。
執筆 / サブ太郎(@sabusabutaro)
構成・編集 / けいろー(@K16writer)
いつだって欲望全開で全力疾走!体当たり系VTuber・サブ太郎
――まずは自己紹介からお願いします。
サブ太郎:
欲望のまま突っ走る! 元気いっぱい限界ハムスターのサブ太郎です!
世界に何か自分の足跡を一つでも多く残したくて、活動をはじめました!
――と言うと大げさですが、1人でも多くの人に「サブ太郎って奴、いたな〜」って思ってもらいたくて、活動をしています。
振り返ってみると、VTuberを始める前から、サブカルチックなものや変わった場所に行くこと、変わった食べ物を食べるのが大好きでした。1人で好きなことをするのももちろん楽しいけど、何となく勿体なさも感じていて。もともと表現や創作が好きだったのですが、ちょうどその頃はモヤモヤすることが多くて、「何かやりたいな〜」と気持ちが燻っていた時期だったと思います。
そんな時に、VTuberの存在を知りました! 思いついたらとりあえずやってみたほうがいいと思ったので、何も知らないままに「えい!」とはじめてみました!
――普段はどのような活動をされていますか?
サブ太郎:
配信・動画・Shortsの3本立てで活動しています!
その時やりたいことを全力でやるスタイルです。
配信ではネタ・企画系のものが多いです。バーチャル臨死体験、リスナー女体化、チネリ米、ゲテモノ食レポ、mocopiうどん、ヤシの実割りなど……。
昨夏は「セミファイナル選手権」と題し、VTuber界で“セミファイナル”の物真似が一番うまい人を選ぶ大会を開催しました。リスナーからスポンサーが集まり、当初予定していた賞金総額が4倍の額になり、みんなで笑いながら困惑していたのは思い出深いです。
サブ太郎:
ゲーム実況は『ウマ娘』など女の子がたくさん出てくるゲームや、ホラゲー実況などが好評です! 活動初期はまったく自覚してなかったのですが、サブ太郎のリアクションはあまりにも限界しているように見えるらしく、リスナーからも楽しんでもらえているみたいです。
サブ太郎:
あと、最近は動画に力を入れていて、VRChat動画やレポ動画、その他バラエティ系のものをアップしています! 2024年の上半期にはShortsの3ヶ月間毎日投稿にも挑戦しました!
これまで配信で育ててきた(?)リアクション力と体当たり力を活かして、これからも楽しい動画をいっぱい作っていきたいです!
――最近ハマっていることや、力を入れていることはありますか?
サブ太郎:
VRChatがアツいです!!!
2024年9月頃からどっぷりハマりはじめました。
半年ほど前からVRゴーグルは購入していたのですが、どうにもVR酔いが酷く、機材の設定もなかなかうまくいかず……一旦寝かせていました(汗)。
その後、他の方のVRCでの活動を目にすることが増え、「VRCってこんなこともできんの?!?!」と脳に電流が走りました。そのまま目がギラギラのガンギマリ状態でVRCにinしまくり、さらには1週間ほどでUnity改変を覚え、今は時間を見つけてはVRCでウロウロする日々を過ごしています!
サブ太郎:
Unity衣装改変を突貫で覚えた結果、誕生日には新衣装サブ太郎が3人爆誕しました。配信ではmocopiで動きまくってるので、よかったらぜひ見てください!
いろいろとまだまだ初心者ですが、3Dの体を使った活動がパワーアップしたのもあって、VTuberとしての新しい世界が開けたような気分でめちゃくちゃ楽しいです!
直近でやりたいこととしては、初心者だからこそできる新鮮なリアクションのVRC動画をいっぱい作ってみたいなぁと思っています。
人によって捉え方が異なる「性」の話がおもしろい
――あつぶい祭で審査員賞を受賞した動画「昔のエ○本がツッコミどころ満載だったので見てくれ」について、どのような内容なのか改めて説明をお願いします。
サブ太郎:
「70年前のエ〇雑誌の内容を一緒に見ていく」というレポ動画です! 動画で取り上げた『夫婦生活』は性生活を専門にした雑誌で、現在はもう廃刊になっています。
一見ただのエ〇本かと思いきや、性教育やオトナの性のお悩み、読者コーナーや小説、そしてグラビアなど、「性」のすべてを網羅しているとも言える情報量。「人妻姿態十二ヶ月」「完全なる性感」「おヒップのユーモア」など、昭和独特の語彙と雑誌の情報量にツッコミを入れながら、楽しく読んでいきました。
――今回の動画を制作する際にあたって、こだわった部分はありますか? また、「ここ好き」というお気に入りのポイントがあれば教えてください。
サブ太郎:
題材が題材なので、当然ながらOKが出そうなギリギリをどう攻めるかを考えていました。
「題材はエ〇だけど中身はまじめな部分もあるんだよ!」ということを伝えたい!
でも、まじめに寄りすぎるとよく分からない感じになってしまわないか!?
……と悩んだ結果、あの内容になりました。
動画でも見せられるものはそのまま、グレーそうなものはモザイク、そのまま載せるのは絶対にダメだけど、どうしても見せたいものはイラストにしました。
あとは、雑誌内に登場する語彙が、時代を感じるユーモアがたくさんあって大好きです!
ちなみに動画ラストの川柳は、風呂入ってる時に思いついて脱衣場で全裸でメモしました。今、動画を見返したらぜんぜんうまくなかったのでリベンジさせてほしい。
――この動画について、何か裏話などあれば教えてください。個人的には本をどこで手に入れたのかが気になります。
サブ太郎:
本の入手先はヤフオクです! 2冊セットで販売している人がたまたまいて助かりました! 買った経緯としては、知人から「お前が好きそうな本があるぞ〜」と教えてもらったのがきっかけです。貴重なコレクションが増えたので友人には感謝です。
ちなみにぼくの自宅には、官能小説用語表現辞典やセクシーグッズだけが掲載された海外の雑誌などもあります(海外のアダルトアイテムの雑誌ってなんかめちゃくちゃお洒落でセクシーでかっこいいんですよね)。
それと、本当は全部の章を取り上げたいくらいおもしろかったです! 特にびっくりしたのが、すごいドエ〇い情報があるかと思えば、しっかり性教育についても扱っていたことです。知らない情報が多くて、「こんなにちゃんとした性の情報って当時もあったんじゃん!?」と驚きました。
そういうまじめなところ、おもしろいところの両面を知ってほしいので、半々くらいのバランスを目指しました。
サブ太郎:
ところで、ぼくは配信でもプライベートでも性癖の話や猥談が大好きなんですけど、性の話って人によって捉え方がぜんぜん違うんですよね。
真剣な性のお悩みが周りから下ネタ扱いされてションボリすることもあれば、内輪で楽しくやってたエッチな話がいつの間にかすごく大ごとになってしまうこともある。
うまく表現できないけど、「フラットに話せたらいいのにな~」って思うことがあります。配信でそういう話をした後に、「あれは良くなかったかも……?」と自戒する時もあります。
「欲望のまま突っ走る!」って自己紹介で言ってるけど、こればっかりは難しいです。どっちかに偏りすぎても難しいし、でも性癖の話は自分の欲求に忠実になりたいし……。
エッチで、楽しくて、まじめな面もあって、性の話って、両面持ち合わせているものなんでしょうね。でも、そういうところがおもしろいな~と感じるので、ぼくはこの分野が大好きです。
なんか結局まじめっぽい話になっちゃいましたが、雑誌『夫婦生活』は全盛期には35万部出版されていたそうで、1970年には増刊『SM立体カラー医学カード』が付いていたらしいですよ。
「SM」と「医学」がくっついてるの、おもしろすぎません!? そういうところも、『夫婦生活』って、性の話をする時の立ち位置が絶妙ですよね。大好きです。
――動画公開後の反響はいかがでしたか?
サブ太郎:
エ〇だけじゃなくて、ちゃんと文化としておもしろさを感じてくれた視聴者が多くてガッツポーズしました! 自分が「いいな〜!」と思っていたところをみんなにも共感してもらえたのは、やっぱり嬉しかったです!
番組内で動画を流せなかったのは本当にすみません!!! 「やっぱりだめだったか〜」と思いつつ、賞に選んでいただけたのは死ぬほど驚きました。そっちはいいんかい!
あと、番組内で「しこり手賞」のコメントが流れてきたのには普通に爆笑しました。ニコニコの良いところが存分に出ている。
――ちなみに、ニコニコ動画は普段から見ていますか? どのような動画を見ているかもあわせて教えてください。
サブ太郎:
VTuberの切り抜き系の動画はニコニコ動画で見るのが好きです! コメントが横に流れてくるほうがやっぱりおもしろさが増す気がする。
他には……『ご注文はうさぎですか?』の第1羽を、ニュース代わりに毎朝見るのが日課になっていた時期があります。コメントの一体感が尋常じゃない上に、『ごちうさ』1羽では冒頭のコメントで時事ニュースまで流れてるんです。なぜかちょっとした情報番組と化してます。
定期的に見返すことで「あっ今はコレが流行ってるんだ」「このコメントの雰囲気は変わらないんだな〜」と謎の安心感があります。もちろん、『ごちうさ』はかわいくて素晴らしいアニメなので、癒しも得られますし!
――ニコニコ動画に関して、何か思い出はありますか?
サブ太郎:
初めてハマった動画サイトがニコニコ動画だったので、やっぱり安心感と実家感がすごいです!
家に帰って来るなりボカロのランキング欄を毎日のように巡回していた日々が懐かしいです。布団の中にニコ動が見れる某ゲーム機をこっそり持ち込んで、深夜までゴソゴソしながら見てました。
あとは、パソコンが家族と共用だったのですが、どんな動画を見ているのか知られたくなくて、毎回履歴を消しながら隠密視聴してました。でも油断したある日、検索履歴から「本格的ガチムチパンツレスリング」を消すのを忘れていて、その後家族がパソコンを使った形跡があって大汗をかいた思い出があります。
今となっては青春の思い出です。ありがとう。
広〜いインターネットの片隅で、いっぱい足跡つけていこう
――今後、VTuberとしてやってみたいことはありますか?
サブ太郎:
VRChatにどハマりしているので、何かVR絡みのイベントがいつか開催できたらいいですね!
自分だけのワールドを作るのも夢です。いつもお世話になっているリスナーや、お友達みんなを招待したい!
3Dのモデリングももっともっと自分でできるようになりたいです。動画に限らず、自分の好きなものをずっと楽しく作り続けられたら幸せです!
あとはやっぱり、自分の企画や動画でバズりたいです!
最近はリアクションや声を褒めてもらえることが多いので、叩けば鳴るVTuberとして、もっとみんなに楽しんでもらえたらうれしい。今のメインの活動ではないんですけど、演じることも大好きなので、もっと挑戦してみたいですね。VR演劇とかも興味がある……!
――今後の活動の目標を教えてください。
サブ太郎:
目指せ登録者様10,000人!!!
数字を達成した後もすこやかにのびのびと長〜く! 活動していきたいです! ずっと何かを作りつづけて、それを見て楽しんでもらえることが何よりも幸せです!
――読者とファンに向けて、メッセージをお願いします。
サブ太郎:
ぼくは今、何を言おうか迷いながら、この文章を考えています。
そしてあなたはまさに今、そうやって書かれたこの文章を読んでいます。
ぼくの知らないところで、あなたの眼球にサブ太郎の文章が映ってるのって、本当にすごくないですか!?
そもそも動画を見てもらえてたり、配信でリアルタイムでコメントをもらったりするのって、本当にすごくないですか!?
しかも、そのぼくたち一人ひとり全員が生活して、人生を送ってるのって、すごくないですか!?
当たり前の話なんだけど、ぼくは定期的に想像しては、そのスケールのデカさに「やばくない!?」と目が眩みそうになります。
インターネットやニコニコ動画に初めて触れた時もこんな気持ちだったかも。流れてくるコメント一つひとつの人生を想像して、ちょっと具合が悪くなったこともある。
誰かの人生を変えるとかそういうのじゃないけど、ぼくの知らない誰かがいつの間にかぼくと出会って、ぼくを見て何かしら思っている――っていうこと自体がめちゃくちゃおもしろいなと思う。その繰り返しが楽しすぎてやめられないから、ぼくはずーっとここにいたいです!
広い広〜いインターネットの片隅で出会えたということは、これも何かの縁だと思います!
ぜひこれからも一緒に楽しいことを分かちあっていこうね!
インターネットにぼくと一緒にいっぱい足跡をつけていこう!
欲望のままに突っ走る個人勢VTuber。サブカル好きでアングラ好き。顔の良い女と百合も好き。
どんな企画も全身全霊で取り組む、元気いっぱい限界ハムスター。勢い重視の体当たり企画に見えて、内容自体に興味関心を惹かれるような動画も多い。最近はVRChat生活をエンジョイ中。