オーディオ機器でおなじみのJVCケンウッドが、バーチャル音楽フェスを開催!
8組のシンガー&バーチャルアーティストが出演する新感覚バーチャルライブ、その名も「MAGICAL JUKE BOX」が、VRChatの特設ワールドで6月に3日間の日程で行われます。
ライブ会場では、「香美2号ちゃん」として出演する広瀬香美さんが書きおろした新曲「Hello You, Hello me」が披露されるほか、朝ノ瑠璃さんやMaiRさん、おめがシスターズ with ほんわかバンドといったVTuber/VSingerも登場。ライブの様子はVRChatの現地会場だけでなく、SPWNの配信で楽しむこともできます。
そのライブ開催に先駆けて、6月8日に公開されるのが「JVC ケンウッド MJB バーチャルワールド」。
蓄音器やラジカセといった懐かしの音楽機器の展示や、「音」にまつわるゲームやギミックなど、さまざまなコンテンツを楽しめる特設ワールド。今回、そのワールドを一足先に体験させていただく機会を頂戴しましたので、実際に訪れた現地の様子と感想をお伝えします。
音と自然を楽しめる「リズムの王国」に行ってみよう!
ワールドに入るとまず目に入るのが、こちらのウェルカムボード。
音楽フェスとして開催されるMAGICAL JUKE BOXですが、このワールドにあるのはライブ会場だけではありません。「音楽喫茶」「リズム湖」「フォレストノーツの森」「ワンダーパーク」といったエリア名の記載からもわかるとおり、見どころもたっぷり。この土地にも「Rhythm Realm(リズムの王国)」という名前があり、音と自然を大切にするJVCケンウッドの思いが込められた世界観となっているようです。
それでは看板の案内に従いつつ、実際に各所を巡ってまいりましょう。
音楽喫茶
まず足を運んだのが、小高い丘の上にある、おしゃれなカフェ風の建物「音楽喫茶」。大きな蓄音機のラッパがひときわ目立つ外観ですが、入ってみるとそこは別世界。
建物の内部は、Victorのマークでおなじみの犬・ニッパーの物語をモチーフにしたステンドグラスが輝く、教会の聖堂のような雰囲気。JVCケンウッドの製品の歴史を知ることのできる年表や、製品の展示、そしてカフェスペースもあり、荘厳さが漂いつつもあたたかみを感じる空間となっています。
さらに聖堂の最奥部には、パイプオルガン――ではなく、巨大なジュークボックスが!
この日は稼働している様子がありませんでしたが、この機械が真価を発揮するのはライブ当日。訪れた人を魔法の世界――ライブ会場へと連れて行ってくれるのが、こちらのジュークボックスなのだそうです。楽しみに待ちましょう。
ちなみにジュークボックス横のモニターでは、ライブ当日に会場の様子が中継されるとの話。モニター越しではありますが、チケットを買っていない人もライブの様子を楽しむことができます。もちろん、せっかくならライブ会場で見たいところではありますが、「有料ライブをVR空間の画面越しに見られる」という体験も、なかなかに独特かつ新鮮に感じられそうです。
また、忘れてはいけないのが、カフェスペースのマスターが教えてくれる便利グッズ。
こちらの無線機を持つと、ワールド内でいろいろな音声案内を聞くことができるのだとか。現実の美術館などではおなじみのシステムですが、「宙に浮かんだ状態で無線機がついてくる」という絵面はVRならでは。それだけでちょっとしたおもしろさがありますが、どうやらワールドを楽しむためのヒントなども聞こえるそうなので、忘れず持って行きましょう。
リズム湖
ワールドマップの大部分を占める大きな湖、その名も「リズム湖」。
これだけ大きく描かれている湖ともなれば、遊覧船やボートレースなど水上のアクティビティを楽しめるのだろう――と思いきや、なんと目的地は水中。ワープした先の湖の底では、いろいろな音楽体験ができます。
説明によると、ここでは「ゲッダンダンス」や「ゲレ恋ダンス」といった広瀬香美さんにまつわる音楽体験ができる様子。
いくつかは過去にJVCケンウッドがバーチャルマーケットへ出展した際に展示していたギミックなので、もしかしたら見覚えがあるかもしれません。SNSでも話題になっていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんななか、今回のワールドで初めてお披露目となるのが、こちらのピアノ。
ライブのために広瀬香美さんが書きおろしたテーマソング「Hello You, Hello me」を、実際にピアノで演奏できるスペースになっています。湖の底でいろいろな音楽と戯れることのできる不思議空間。ぜひフレンドと一緒に訪れてみてください。
フォレストノーツの森
ワールドの中央部に広がる「フォレストノーツの森」は、リズム湖での音楽体験とはまた別の形で「音」と親しめるネイチャーゾーン。JVCケンウッドが展開しているサービス「Forest Notes」をモチーフにしたエリアです。
Forest Notesは、日本各地の森の音をリアルタイムで聴くことのできるサービス。知床や白神山地といった森の中に設置したマイクが拾った音を、24時間いつでも無料で配信しています。アプリも配信されているそうなので、作業用BGMに使っても良さそう。
このフォレストノーツの森でも自然の環境音が聞こえてきますが、それだけではありません。ワールドのあちらこちらに隠された音符のアイコンを見つけると、聞こえてくる音の種類が増えるのだそう。
音符は全部で8つあり、それぞれに鳥の声や川の音といった異なる音が重なって聞こえるようになる――と聞いたら、そりゃあ集めたくなりますよね。無線機を持っているとヒントをもらえるそうなので、迷ったら遠慮なく活用しましょう。
ワンダーパーク
森の南方に広がる「ワンダーパーク」は、MAGICAL JUKE BOXのグッズやキャンペーン情報、協賛企業のポスターが掲示されているエリア。
ライブに出演するアーティストのスタンドもあるので、自分の推しがいる人は記念撮影を忘れずに。何やら嬉しい景品や特典をもらえるキャンペーンもあるらしいので要チェックです!
また、テント下のワープポイントに入ると、星々の煌めく空間へ! 黒杜えれんさんと波澄りおさんの2人のライブを体験することができ、実際に歌って踊る姿を間近で楽しめます。
特筆すべきは、やはりS席の近さですね。これまでにVRChatで開催された企業主催のバーチャルライブを振り返っても、どれも結構な間近でライブを見ることができましたが、それらを超えるほどの超至近距離。文字通りの「ガチ恋距離」でアーティストのパフォーマンスを見られる、極上体験となっています。
空間の制約がないVRで、なぜあえて「席」にグレードを設けているのか
ただ単にライブ会場をつくるのではなく、音楽と親しみ、フレンドと遊べる空間として公開された、MAGICAL JUKE BOXの特設ワールド「JVC ケンウッド MJB バーチャルワールド」。
このライブが発表された当初は、VRライブとしては珍しく「S席」と「A席」の概念があることを不思議に感じていました。ですが、実際に体験してみて、なんとなくその理由がわかったように思います。もちろん、チケットは一律料金にして、近くからでも遠くからでも自由な距離でライブを見られるようにしてもいい――のですが。
今回のこれは、いくらなんでも近すぎる……!
企業主催のVRライブとしては、驚くほどにアーティストを間近で見られる今回のライブ。その「近さ」だけでも特筆すべきものであり、MAGICAL JUKE BOXならではの魅力となり得る要素だと感じました。座席のグレードは、その「特別感」をより魅力的なものとして演出するためのものなのかもしれません。
そんなこんなで特設ワールドの様子をお伝えしてきましたが、掲載している写真はワールド全体の一部分に過ぎません。写真に写っていない展示もありますし、音符も集めきれていませんし、全部埋めたくなる「実績」のシステムもあります。広さもそこそこありますので、ワールドが公開されたらぜひご自身の目と耳で「リズムの王国」を散策してみてください。
ワールドの公開は6月7日(金)。
ライブは15日(土)、23日(日)、30日(日)の3日間の日程で行われます。